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自然の温もりや飽きのこないデザインなど、木質フローリングは様々な特長を備えています。
近年の防音技術やシックハウス対策などと相まって多種多様な製品が市場に流通していますが、その種類は、大きく分けて、複合材と無垢材の2つに分類されます。
複合フローリング(複層フ)は多層化したもので、代表的な商品は合板を基材とし、表面に天然の化粧単板を張り合わせたものです。
一方、無垢フローリング(単層)とは、一枚の板を基本とするもので、より自然物に近いといえます。
無垢材が自然物という位置づけであれば、複合材は工業品という面が強く、それぞれに長所・短所があります。それぞれの特性や性能の違いをご理解の上お選びください。
複合フローリング
無垢フローリング
表面材(化粧単板)と基材(合板など)を合わせて作る複合フローリングは、膨張や収縮 、ねじれ、反りなども生じにくい特長があります。
基材の組み合わせや塗装方法で様々な性能を持たせることができ、遮音や床暖など利用目的に合わせた高い機能性とバリエーションの豊富さは複合材ならではと言えます。
健康面ではシックハウス症候群の原因とされている接着剤成分のホルムアルデヒドの発散量について厳しい基準(F☆☆☆☆などの等級区分)が定められており、各メーカーは、ホルムアルデヒド以外のVOC(揮発性有機化合物)も含め、総合的に室内空気汚染の原因物質を低減する方向性で取り組んでいます。
表面の化粧単板の厚みによって、複合フローリングの風合いが異なります。
木材を0.3mm程度にスライスした単板を表面に使用した薄単板と、1mm以上の単板を使用した厚単板があります。
複合フローリング 薄単板
複合フローリング 厚単板
無垢フローリング
基材の種類で以下のように3つに区分されます。
合板を基材とする複合一種が最も多く流通しており一般的です。
ムク(無垢)とは、天然の木をそのまま1枚の板として利用する木材そのものの素材感が特長です。本物ならではの重厚感や温かみは天然の無垢材ならではの価値といえます。
木材には湿度や室温変化によって水分を吸・排出する調湿機能があり、無垢材はその効果がより高いことが知られています。
その反面、環境の湿度に応じて伸びたり、縮んだりする天然木の特性がそのまま現れるので、無垢フローリングが伸びたり、縮んで継ぎ目部分にすき間が生じることもあります。
また、節や入り皮などが入ることもありますので、それを自然の味わいとして受け止める必要があります。
丈夫で傷が目立ちにくく、より堅い樹種を選択すれば、店舗など人の出入りが多い箇所にも利用できます。逆に、柔らかい樹種は転倒時のショックを和らげる効果があります。
最近では、無垢材も複合材のように高機能化の傾向があり、床暖房仕様で無垢材の高級感と快適性を両立した商品もあります。
大きく分けて図のような3タイプがあります。
現在目にする無垢材は、このユニかFJLであることが多く、この2つに共通する特徴は構成する木材が小さいことです。
一つの木材ピースを小さくして接着接合することで、狂いづらい、端材の有効活用ができる、価格競争力が期待できる、施工性が向上するなどの利点が生まれます。
ただ、長さ方向で木目が揃いづらいことやピースごとに色違いが起こりやすいともいわれます。
なお、FJLは改正建築基準法(平成15年7月施行)の内装仕上げ材の使用面積制限対象品ですが、最高等級F☆☆☆☆(JAS)を取得したものは低ホルムアルデヒド商品とされ、自由に利用できます。
また、FJL はJAS法上では、複合2種に分類されます。
店舗の出入り口などの歩行頻度の多い場合は、広葉樹の硬い樹種の無垢材や厚単板の複合材をご採用ください。
一般的な薄単板の複合材は住宅の上履きを想定したフローリングとなりますのでご注意下さい。
強度を上げるため、WPC加工を施したものや針葉樹を圧縮した圧密加工のものなど多様な商品がありますので、各商品説明を確認の上ご使用下さい。
また土足でご使用の場合は、傷が目立ちにくい色やツヤ無しの商品などをお薦めします。
床暖房の仕上げ材としてご採用の場合は、床暖房対応のものをご使用ください。
複合材の方が、床暖対応の種類も多く一般的ですが、最近では材の選定や乾燥処理などに工夫をこらした床暖対応の無垢材も増えています。
フローリングの保護や汚れ防止のため、表面にはあらかじめ塗装した商品や施工後に塗装などを施す商品があります。
●ウレタン塗装品
表面に塗膜ができるウレタンなどの樹脂系の塗料を施した商品です。
「UVウレタン塗装」とは、通常のウレタン塗料に紫外線で硬化する成分を含ませて、工場での塗装後の乾燥時間を短縮して塗装した商品で、薄く均質な塗膜になります。
光沢のあるツヤあり、ツヤなし、半ツヤなどのタイプがあります。
●無塗装品
表面に塗料やワックスなどを施していない商品です。
そのままの状態で使用すると汚れがつきやすいため、木の肌触りや質感を活かす塗料やオイルなどで表面を保護することをお薦めします。
WPC(Wood Plastic Combination)とは、木材組織にプラスチックを注入・充填し、硬化させる加工技術です。天然木を使いながら 耐久性が高く、傷、汚れなどがつきにくくなる効果があります。
スギやヒノキなどの針葉樹に高熱のロールプレスを掛けることで表面を圧縮し、硬度を高める加工です。
スギやヒノキは表面が柔らかいため、従来は柱材などにしか使われていませんでしたが、温かな風合いを活かしながら、床材としても使えるようになりました。
突き板とは、木材を薄くスライスしたフローリングや建材・家具などの表面化粧材です。その厚みは0.2〜0.6mmと薄く、同じ木材からより多くの単板が採れるため、均一な単板を大量生産することが可能です。
大根の桂剥きのような「ロータリー製法」とかつお節を削るような「スライス製法」があります。
挽き板とは、スライスではなく回転するのこ刃で切り出した板材です。歩留まりの関係上コストアップになりますが、スライスでは難しい厚みのある材を生産することが出来ます。
住宅の内装に使われる建材の中で、ホルムアルデヒドの発散量が最も少ないランクを示す等級で、「エフ・フォースター」と読みます。
無垢フローリングは、生産時に接着剤をほとんど使用せず、ホルムアルデヒドを発散しないと考えられるため、規制の対象外となっています。
平成15年7月に施行された改正建築基準法で、シックハウスの原因とされる化学物質のうちホルムアルデヒドの住宅への使用が規制されました。
このうち内装仕上げについては、ホルムアルデヒドを発散する建材を壁や床、天井などに使用する際に面積制限を行うことになり、JASやJISの基準で「F☆☆☆☆」の等級なら制限なくいくらでも使うことができますが、「F☆☆☆」の場合は床面積の2倍までしか使えず、「F☆☆」より下のランクの建材は使用を禁じられるようになりました。
シックハウス症候群の原因物質の一つで、家具や建築資材、壁紙を貼る為の接着剤、塗料などに含まれている化学物質で、防腐剤としても使用されます。
ホルムアルデヒドは家具や建築資材などから少しずつ室内に放散されますので、新しい家具を家に入れた時、家を新築やリフォームして初めての夏を迎えた時などは、こまめな換気をおすすめいたします。
居住空間における建材・家具等から発生する化学物質による健康被害の事です。
住宅構造の高気密化により、昔の日本家屋に見られたような通気性がなく、自然の換気量が全体的に減少している事も影響していると考えられています。
居住者の症状は、個人差があるものの軽症では「くしゃみ」「鼻炎」「目脂」、重症になると「頭痛」「ぜんそく」を引き起こすなどの症状が見受けられます。
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