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岩石学では花崗岩(かこうがん)といいますが、兵庫県の御影地区で産出した良質な花崗岩を御影石と称したことに始まり、建築や墓石に使われる花崗岩全般を、石材業界では御影石と呼ぶようになりました。
英語では、GRANITE(グラニット)と呼ばれ、英語のGRAIN(粒状)に由来します。
御影石は、地球の深い地殻部分でマグマが冷えて結晶化し、地殻の変動によって地表近くに持ち上げられた岩石で、その組織は、英名のように粒状の組織を有しており、主に長石(白色不透明)、石英(灰色半透明)、黒雲母(黒色不透明)など鉱物から構成されます。
大理石と比べて模様、色調が均質で、硬く、耐久性に富むため、建築物の外部を中心として多く用いられています。
強度がある反面、硬いために加工には手間がかかります。
主に長石の形や大小・色により外観や性質・風化の速度が異なり、石英の含有量が少ないと、緻密で圧縮強度は大きくなりますが、加工しにくくなります。
また、高温に弱い特性を利用してジェットバーナーで表面を荒らす仕上げなども特徴のひとつです。
含有鉄分でさび色が出る場合があります。
御影石は、白御影、赤御影、黒御影などと称して分類され、その代表的な石種をご紹介します。
日本産の御影石では、稲田石(茨城県)などがあり、外国産の御影石ではルナパール(イタリア)、G603(中国)などがあります。
日本産の御影石では、議院石(広島県)や万成(岡山県)などがあり、外国産の御影石では、ピンクポリーノ(スペイン)、ローザベータ(イタリア)などがあります。
外国産の御影石では、ニューインペリアルレッド(インド)、カパオボニート(ブラジル)などがあります。
花崗岩とは異なり、石英が少なかったり、含んでいなかったりという特徴があり、岩石学的には、閃緑岩(せんりょくがん)・斑レイ岩に分類されますが、建築石材としては黒御影と称しています。
外国産の御影石では、インパラブラック(南アフリカ)、ジンバブエブラック(ジンバブエ)などがあります。
建築石材においては、次のような岩石も御影石と称しています。
●片麻岩(へんまがん)
熱や圧力の変成作用で生成された流れ模様のある岩石で、代表的な御影石では、マルチカラーレッド(インド)、パラダイス(インド)などがあります。
●ラビクル岩
粗粒の長石からなる岩石で、代表的な御影石では、ブルーパール(ノルウェー)やエメラルドパール(ノルウェー)があります。
●閃長岩(せんちょうがん)
石英をほとんど含まず、アルカリ長石を主成分とする岩石で、代表的な御影石では、セントモンチーク(ポルトガル)があります。
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