レンガの特性
レンガの耐久性
レンガは一般的に800〜1300℃で焼成されるため、気温や紫外線の影響による劣化や退色がきわめて少ないです。
また強度もコンクリートと同等程度であるため耐久性・対候性ともに優れ、レンガ造りの古い建物が現存する等実用性も高い素材です。
ただし寒冷地などではレンガの吸水率の高さから、凍結・融解を繰り返しひびが入ってしまう場合もあります。(凍害)
レンガの美観性
レンガの特色は窯変(色の変化)です。
レンガの原料である粘土の鉄分含有量と焼成時の温度変化によって風合いが変わり、飽きのこない印象を与えます。
自然の中に存在する「土」を原材料とするため、天然石やコンクリートと比較すると自然感あふれる雰囲気が醸し出されます。
また経年による欠けや汚れ、苔の発生なども景観として取り込むことができ、時間が経つほどに風格が増していくのも大きな特徴です。
レンガの維持管理性
レンガは一度使用すると、その後メンテナンスをほとんど必要としません。
汚れは特別なものを除き(白華現象等)水洗いで綺麗になるなど、施工後の手間がかかりません。
レンガの不具合
白華現象(エフロレッセンス)
「白華」もしくは「はなたれ」と呼ばれ、コンクリートやレンガなどの多孔質材料の表面に塩類が出て白っぽくなったものを指します。
原料である粘土に含まれる水酸化カルシウムや水酸化アルミニウム等が、雨水などの水分と反応しレンガ表面に付着することが要因です。
目地材に使われたモルタルの水分に反応して白華現象が起こる場合と、レンガ内部に侵入した水分が原因で白華現象が起こる場合があります。
低温多湿の状態がもっとも発生しやすいため、冬期の雨上がりなどに多く見られます。
白華現象を避けるためには、雨天時の施工は行わず、寒冷地での施工の場合はヒーター等で気温を上げるなどの対策が有効です。
基本的に人体やレンガの強度に影響は与えませんが外観を損なうため除去することをおすすめします。
薄めた塩酸や専用の洗浄剤(50262SNB)で除去することが出来ます。
凍害
レンガの持つ気孔から吸収した水が凍る際に体積膨張を起こし、それが繰り返されることで膨張圧によって破損してしまう現象のことです。
以下のような条件下では凍害が起こりやすいため、注意が必要になります。
・常に湿っている下地面への施工
・雪の吹き溜まりになりやすい壁面への施工
また一般的に普通レンガよりも耐火レンガのほうが吸水率が低いため、耐火レンガを使用することもおすすめです。