木が腐るメカニズムは「
腐りにくい木と腐りやすい木の違いは?」で説明の通りですが、では、木材の性質だけでウッドデッキが長持ちするかといえばそうではありません。
世界最古の木造建築物と言われる法隆寺などは、一千年以上たった今も何故腐らないのでしょうか?
それは、腐りにくい木材を選び、風通しをよくして雨がかかりにくい大きく張り出した屋根にするなど先人たちの知恵と工夫と適切な維持管理のなせる技なのです。
ウッドデッキ材にも同じことが言え、腐りにくい木材を選び、腐りにくく組み立てて定期的なメンテナンスが必要となります。
木材腐朽菌の繁殖を抑えるためには、水分(湿気)のコントロールが必要なことは「
腐りにくい木と腐りやすい木の違いは?」の通りです。
ウッドデッキを作る場合は、何よりも風通しを良くして、木を湿った状態にしないことが大事なのです。
木は湿った環境に大変弱く、地面と密着したり、板が重なったりした部分は常に湿った環境になります。
深いひび割れなどがあると、その奥は風も入らず、やはり相当期間乾きません。
また木口は繊維の断面が出ているため水を奥まで吸いやすく、乾きにくい部分です。
乾かずにいつまでも湿気た状態で置いておくと、やがて腐朽菌が繁殖をはじめ、木は腐りだします。
腐りだすと、木はスポンジ状になり、さらに内部深く水が浸透していきます。
内部まで入り込んだ水はなかなか乾かず、次の雨でまた濡れます。
もはや乾くことがなくなった木材の内部で腐朽菌の繁殖の勢いが増していきます。
湿気があり、腐り始めた木材は虫にとっての格好の餌になり、やがては、なめくじ、まる虫などが発生し、最悪の場合は白蟻被害となります。
ハードウッド系のウッドデッキ材は、少々の過酷な環境でも腐りにくいのですが、ソフトウッド系のウッドデッキ材の場合は、特に風通しを良くして、ひび割れた箇所から木材腐朽菌が繁殖しないように防腐材の塗装をするなど定期的なメンテナンスをお薦めします。