タイルを貼っていると、どうしても端の1列だけ大きさが合わず、タイルを切らなければならない場面が出てきます。タイルは焼き物なので、木材のようにノコギリで切ることはできません。
そこでタイルを切る工具を調べると、刃を回転させて切る電動工具が出てきます。1回しか使わないのに買うのは高いと感じて、レンタルを探している人も多いのではないでしょうか。
実は、一般的な内装タイルや床タイルであれば、電動工具を用意しなくても、手で押して割る押し切り式のタイルカッターで切れます。しかも作業は電動工具よりずっと早く終わります。
本記事では、タイルの切り方の種類や自分のタイルをどの道具で切るべきかの見分け方、電動工具が必要になるケース、押し切り式を選ぶときのポイントまで、タイル専門店のタイルライフが詳しく解説します。
タイルライフでは、DIYで使いやすい押し切り式のタイルカッターを取り扱っています。ぜひ下記よりチェックしてみてください。
タイルカッターはレンタルより手動の押し切りタイプを買うほうが早い

タイルの切り方には、大きく分けて、電動工具で物理的に切る方法と、筋を付けて押し割る方法の2種類があります。検索で見つかる電動工具と、タイルの専門店で扱われている押し切り式のタイルカッターは、構造も切り方もまったく違う道具です。
どちらが自分に必要なのかが分かると、借りるべきか買うべきかの判断もしやすくなります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
レンタルされているのは刃を回転させて切るディスクグラインダー
ディスクグラインダー(サンダー)にタイル用の刃を取り付け、刃を高速回転させて切断します。ホームセンターの工具レンタルで貸し出されているのは、主にこちらのタイプです。
厚みのあるタイルや石材、曲線や切り欠きのカットなど、押し切り式ではできない加工ができる点が強みです。
一方で、刃を少しずつ進めながら切るため、1枚あたりの作業に時間がかかり、騒音や粉じんも出て危険も伴います。購入する場合はディスクグラインダー本体に加えてタイル用の刃も必要になるため、押し切り式より費用がかさみやすいでしょう。
一般的なタイルを切るなら手で押して割る押し切り式
押し切り式は、刃でタイルを切断するのではなく、タイルの表面に割り筋と呼ばれる傷を入れ、その筋に沿って押し割る工具です。レバーを引いて表面に筋を入れ、そのまま上から押すと、筋に沿ってパキッと割れます。
電源も回転する刃も使わないため、平らなタイルをまっすぐ切ることができます。玄関や床、壁に使われる一般的なタイルであれば、押し切り式で対応できる場合が多いです。
切るのではなく割るため、筋を入れてから割るまでの動作は数秒で終わり、ディスクグラインダーと比べると圧倒的に作業スピードが速く、仕上がりも直線になりやすいのが特徴です。下の動画で実際の様子をご覧ください。
なお、押し切り式はホームセンターのレンタル対象としてはほとんど見かけません。使う場合は、購入を検討することになります。
小さいタイルや薄いタイルには別の工具を使う
モザイクタイルのように1粒が小さいタイルは、台に固定できないため押し切り式では切れません。この場合は、ペンチのように挟んで割る喰い切り(タイルニッパー)を使います。

また、先端の刃で傷を付けて手で割るペンシルタイプのカッターもあります。

ただし、向いているのは昔の浴室補修などで使われる、薄くやわらかい陶器質タイルに限られます。
玄関ポーチや床に使う一般的な厚みのタイルを、ペンシルタイプで割るのは難しいでしょう。価格が手頃だからといって、どのタイルにも使えるわけではない点に注意してください。
押し切り式タイルカッターで切れるタイルの見分け方

借りるか買うかを決める前に、まずは自分のタイルが押し切り式で切れるかを確認しましょう。確認したいのは以下の3点です。
- タイルの厚さが規定以内かどうか
- 表面に大きな凹凸やレリーフがないかどうか
- 曲線や切り欠きのカットが必要かどうか
この3点が分かれば、押し切り式で足りるのか、電動工具が必要なのかも自然に決まります。
タイルの厚さが規定以内かどうか
押し切り式のタイルカッターには、切断できる厚みの上限があります。上限はタイルカッターの大きさによって異なり、タイルライフで扱う3機種では以下のとおりです。
| モデル | 最大切断長 | 切断できる厚み |
| TY350 | 350mm | 12mmまで |
| TA500 | 500mm | 13mmまで |
| TP600 | 600mm | 16mmまで |
まずは手元のタイルの厚みを測り、使いたいモデルの上限に収まっているかを確認しましょう。DIYでよく使われる玄関などの300角のタイルは厚さ10mmまでのものが多く、最も小さいTY350でも対応できます。
ただし、表面に凹凸のあるタイルは、厚さ10mm程度を目安にしてください。玄関などの床タイルは、滑りにくさに配慮して表面に凹凸をつけたものが多いため注意が必要です。
タイルを購入済みで厚みが分からない場合は、商品ページの仕様欄を見てみてください。なお、上限を超える厚みのタイルは、電動工具で切ることになります。
表面に大きな凹凸やレリーフがないかどうか
押し切り式は、タイルの表面に割り筋を入れて割る工具です。表面がフラットなタイルはもちろん、自然な風合いの多少の凹凸であれば、押し切り式で切ることができます。
一方で、レリーフ(浮き彫り)のような模様や大きな凹凸があるタイルは、割り筋がうまく入らないため押し切り式では切れません。このようなタイルを切る場合は、電動工具を使いましょう。
曲線や切り欠きのカットが必要かどうか
押し切り式は割るという構造上、端から端までまっすぐにしか切れず、途中で止めることもできません。ただし、まっすぐであれば斜めに切ることも可能です。斜めに切る場合は直線で切るより長い距離を切ることになります。
たとえば30cm角のタイルを対角線で切ると、切る長さは約42cmです。TY350の350mmでは長さが足りないため、TA500など大きめのモデルが必要になります。
一方で、曲線や、コンセントの周りだけをL字・コの字に切り抜くような切り欠きは、押し切り式では対応できません。こうした加工は電動工具の出番です。
押し切り式で切れると分かったら、タイルの大きさに合うモデルを選びましょう。30cm角程度までのタイルを直線で切るなら、最大切断長350mmのTY350で対応できます。それより大きいタイルを切る場合は、TA500やTP600といった切断長の長いモデルが必要です。
あわせて、何枚切ることになるかは事前の割付で大きく変わります。貼り始める位置や目地幅を先に決めてから並べ方を考えると、切るタイルの枚数を減らせる場合があります。
以上、押し切り式タイルカッターで切れるタイルの見分け方をご紹介しました。タイルライフでは、押し切り式のタイルカッターを取り扱っています。ぜひ以下より、詳細もご覧ください。
押し切り式タイルカッターを選ぶメリット

押し切り式で切れるタイルであれば、わざわざ電動工具を用意する必要はありません。作業の速さ、仕上がり、扱いやすさの3つの面で、押し切り式ならではのメリットがあります。
実際に、施工のプロも押し切り式で切れるタイルは押し切り式で加工しています。それぞれのメリットを順番に見ていきましょう。
作業が短時間で終わる
押し切り式は、筋を入れて押し割るだけで1枚のカットが完了します。押し切り式なら1枚あたり2〜3秒ほどで終わる作業が、電動工具では2〜3分かかることもあるほどです。
10枚、20枚と切る枚数が増えるほど、この差は作業全体の時間に大きく響きます。レンタルの場合は、工具の受け取りと返却にかかる時間も加わるため、差はさらに広がるでしょう。
プロと同じ方法で、まっすぐきれいに切れる
押し切り式は筋に沿って割るため、切断面がまっすぐになりやすいのが特徴です。電動工具のように刃を手で動かしながら切り進める必要がないので、線がぶれにくくなります。
押し切り式で切れるタイルは、施工のプロも押し切り式で加工しています。作業の速さと仕上がりを両立できる方法だからこそ、現場で選ばれているといえるでしょう。
DIYでも同じ方法を使えば、工具の扱いに慣れていなくても、仕上がりに差が出にくいです。
電源や刃の回転を扱わずに済む
押し切り式は手で押す動作だけで作業が完結し、電源も回転する刃も使いません。電動工具と比べて、扱いに気を使う場面が少ないのがメリットです。
粉じんもほとんど出ないため、屋内でも作業しやすいでしょう。延長コードの準備や、粉じん対策の養生に手間をかける必要もありません。
電動工具が必要になるケースとレンタルの考え方

押し切り式は便利な工具ですが、すべてのタイルが切れるわけではありません。ここでは、電動工具が必要になるケースを整理したうえで、レンタルを利用する場合の注意点を紹介します。
電動工具が必要になるのは厚いタイルや切り欠きの加工
電動工具が必要になるのは、主に以下のようなケースです。
- 押し切り式の対応厚みを超える、厚いタイルを切る場合
- 切り欠き(L字・コの字)や曲線のカットが必要な場合
- 石材を切る場合
たとえば、コンセントの周りだけタイルをコの字に切る場合などが当てはまります。時間はかかりますが、こうした加工は電動工具で切るしかありません。
ホームセンターのレンタルは電動工具が中心
ホームセンター各社の工具レンタルで対象になっているのは、ディスクグラインダーのような電動工具や機械が中心です。料金は店舗や機種によって異なりますが、ディスクグラインダーの場合、1日あたり1,000円前後から2,000円台程度が目安です。
一方で、手動の押し切り式は、レンタルの対象としてほとんど見当たらないのが実情です。押し切り式を使いたい場合は、購入を前提に考えましょう。
なお、レンタルできる工具の種類は店舗によって異なります。電動工具を借りる場合も、事前に店舗へ確認しておくと安心です。
借りる前に取扱いの有無と先端工具の扱いを確認する
電動工具をレンタルする場合に、特に確認しておきたいのが先端工具の扱いです。電動工具のレンタルは本体のみの貸し出しで、タイルを切るための刃は消耗品のため、別途購入する必要があります。
タイル用の刃は、1枚あたり3,000円ほどするものもあり、決して安価ではありません。また、切るものに合わせて様々な種類があり、価格も切れ味も異なるため、初めての方は選ぶだけでも迷いやすいでしょう。
レンタル期間にも注意が必要です。貸し出し期間は店舗によって決められており、初めての作業はどれくらい時間がかかるか読みにくく、期間内に終わらなければ一度返却するか、延長料金を払うことになります。
受け取りと返却で2回の移動も発生するため、作業時間だけでなく、往復の時間も含めて検討しましょう。
同じサイズのタイルカッターでも切りやすさが変わる4つのポイント

押し切り式のタイルカッターは、見た目が似ていても、作りによって使い勝手に差が出る工具です。
タイルライフでも以前は、同じサイズの別のタイルカッターを扱っていました。しかし、きれいに割れるかどうかが使い手のコツに左右されやすく、商品に問題はないのに、切れないというお声をいただくことがありました。そこで改めて商品を探し直し、現在のタイルカッターに切り替えた経緯があります。
その経験から分かった、押し切り式を選ぶときに見ておきたい4つのポイントを紹介します。
土台とベースの剛性がしっかりしているか
タイルを押し割るときに、その力を受け止めるのが本体の土台とベース部分です。ここの剛性が足りないと、押した力が逃げてしまい、タイルにうまく伝わりません。
タイルには、割れるか割れないかの分かれ目があります。土台がしっかりしていれば力が逃げにくいため、多少力加減が弱くても、その分かれ目を越えやすくなります。
以前扱っていた商品では、この土台の作りが、使いこなせる人とそうでない人の差につながっていました。
レバーと支える部分の作りが確かか
筋を入れるとき、割るときに最も力が集中するのが、レバーとそれを支える部分です。剛性が足りないと、強く押したときにレバーが曲がってしまうケースもゼロではありません。
うまく割れないと、もう一度筋を入れ直したくなります。しかし、何度も筋を入れると線が1本ではなく2本、3本と増え、かえってきれいに割れなくなります。
使い方の問題に見えて、実は工具の作りが原因になっているケースも少なくありません。
替刃が用意されているか
タイルの表面に凹凸があると、筋が入りにくく切れないのではと心配になるかもしれません。しかし、凹凸のあるタイルが切れるかどうかは、タイルカッターの作りによっても変わります。下の動画では、タイルライフが現在の商品を選んだ際に行った切り比べの様子をご覧いただけます。
ただし、硬いタイルや凹凸のあるタイルを数多く切ると、刃は少しずつすり減り、筋が入りにくくなっていくでしょう。そのようなときも、替刃が用意されていれば、本体を買い替えずに刃を交換して切れ味を取り戻すことが可能です。
タイルライフでは、タイルカッター本体とあわせて替刃も販売しています。長く使うことを考えるなら、替刃が用意されているかどうかも確認しておきたいポイントです。
試し切りができる状態で届くか
作りのしっかりしたタイルカッターでも、筋を入れる強さや割るときの力加減には、ある程度の慣れが必要です。手持ちのタイルに予備がないと、最初の1枚で失敗しないか不安になるでしょう。
タイルライフのタイルカッターには、カット練習用のタイルが同梱されています。切りやすいタイルで操作の感覚をつかんでから、実際のタイルに取りかかれます。
慣れが必要な工具だからこそ、試し切りができる状態で届くかどうかも確認しておきたいポイントです。
押し切り式タイルカッターの使い方と注意点

押し切り式の作業は、筋を入れる工程と割る工程の2段階です。ここでは、それぞれのコツと作業時の注意点を紹介します。
なお、グラインダーや喰い切りなど、ほかの工具での切り方は下記の記事で詳しく紹介しています。
切る幅を決めて筋を入れる
まずは切りたい幅を測り、タイルを台にセットします。タイルの切り方というと、切る位置に線を引くイメージがあるかもしれませんが、押し切り式では線を引く作業は必須ではありません。
台にタイルを置き、最初に刃を当てる位置さえ間違えなければ、あとはレバーを引くだけでまっすぐ筋が入ります。線を引く手間を省けるのも、押し切り式の作業が早い理由のひとつです。
筋は1回でまっすぐ入れるのが基本です。何度も筋を入れると線が複数になり、きれいに割れにくくなるため注意しましょう。
レバーを押して一気に割る
筋を入れたら、レバーの位置を変えて上から押し、タイルを割ります。ためらわずに一度で押し切るのがポイントです。
力を加減してジワジワと力を入れたり、何度も押し下げたりすると、タイルの破損やカッター本体の傷みの原因となります。最初は同梱の練習用タイルで、割れるときの力加減を確かめておくと安心です。
タイルカッターのレンタルと選び方でよくある質問

最後に、タイルカッターのレンタルや選び方について、よく寄せられる質問をまとめます。
ホームセンターでタイルカッターは借りられますか?
ホームセンターで借りられるのは、主にディスクグラインダーなどの電動工具です。手動の押し切り式は、レンタルの対象としてほとんど見当たりません。
レンタルできる工具は店舗によって異なるため、利用する場合は事前に確認しましょう。押し切り式で切れるタイルであれば、レンタルを探すより購入したほうが、結果的に作業も早く済む場合が多いです。
モザイクタイルを貼るのにタイルカッターは必要ですか?
モザイクタイルは1粒が小さく、押し切り式では固定できないため切れません。また、1粒ずつ切るのは手間がかかるため、まずは切らずに収める方法を考えるのがおすすめです。
モザイクタイルは1粒ずつ目地幅を少しずつ詰めたり広げたりできるため、貼り始める位置や配置を工夫すれば、端に中途半端な小片を入れずに済む場合があります。
狭い場所などでどうしても切る必要がある場合は、喰い切りを使いましょう。タイルカッターを借りたり買ったりする前に、まずは割付で解決できないかを確認してみてください。
石材も押し切り式のタイルカッターで切れますか?
押し切り式のタイルカッターは、タイルの表面に割り筋を入れて割る工具のため、石材のカットには向いていません。大理石や御影石などの石材を切る場合は、ディスクグラインダーに石材用の刃を取り付けて切断します。
見た目がタイルに似ていても、素材が石材の場合は押し切り式では切れません。購入前に、商品ページで素材を確認しておきましょう。
タイルカッターはレンタルできるかより、切れるかで選ぼう

ホームセンターでレンタルできるタイルカッターは、主に電動工具です。手で押して割る押し切り式は、レンタルの対象としてほとんど見当たりません。
ただし、一般的な内装タイルや床タイルであれば、押し切り式で対応できる場合が多いです。押し切り式なら1枚あたり数秒で切れるうえ、レンタルのように受け取りや返却の手間もかかりません。
自分のタイルが押し切り式で切れるかは、厚さ・表面の凹凸・切り欠きや曲線の有無の3点で判断できます。電動工具が必要になるのは、厚いタイルや石材、切り欠きや曲線のカットなど限られたケースです。
タイルを切る必要が出てきたら、まずは借りられるかどうかより、切りたいタイルが押し切り式で切れるかを確認してみてください。タイルライフでは、DIYでも使いやすい押し切り式のタイルカッターを取りそろえています。ぜひ以下より、お気に入りのタイルカッターを探してみてください。
