「ピンコロ石とは?」「ピンコロ石のメリットやデメリットを知りたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
ピンコロ石は、一般的に90mm角の立方体に加工した石材で、日本でも多くの場所で活用されています。耐久性に優れ、貼り方によってはおしゃれなデザインにできる一方で、職人の腕で仕上がりに差が出るのはデメリットのひとつです。
この記事では、ピンコロ石の基本的な知識から、実際に使用する際のメリット・デメリット、具体的な活用事例まで詳しく解説します。
ピンコロ石を使ったおしゃれな庭づくりやエクステリアデザインを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
実際にピンコロ石の種類や費用感を確認したい方は、以下のページからご確認いただけます。
ピンコロ石とはサイコロ状に加工された小さな石材

ピンコロ石とは、約90mmでサイコロ状に加工された小さな天然の石材を指します。
天然の石材であるピンコロ石は密度が高く、耐久性や耐熱性に優れているため、庭の敷石や外構など、強度が必要な場所で利用される場合が多いです。
約90mmでサイコロ状の立方体が基本サイズですが、厚みが半分のピンコロ石(ハーフや半ピン)や、施工しやすい20mm厚のものなど、さまざまなサイズが存在します。ピンコロ石は耐久性と汎用性の高さから、幅広い場所で利用されている建築素材です。
ピンコロ石の用途と施工例

ピンコロ石は、高い耐久性や多様なカラーバリエーションを持ち、以下のとおり外構のさまざまな場所で活用されています。
①:玄関のアプローチ
②:駐車場の舗装
③:花壇の縁取り
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①:玄関のアプローチ
ピンコロ石は、庭のアプローチに適した石材です。ピンコロ石は高い耐久性とデザイン性を兼ね備えており、長年に渡り美しい景観を維持できたり、自然な雰囲気を演出できたりします。
たとえば、扇形の模様や縦と横に規則正しく並べると、ヨーロッパの石畳をイメージでき、シンプルでスタイリッシュな印象を与えられるでしょう。
また、スロープや階段の縁取りにも広く活用されており、安全性とデザイン性を両立した玄関周りを実現できるのも大きなメリットです。
玄関のアプローチにピンコロ石を使うと、耐久性やデザイン性、メンテナンス性のすべてを兼ね備えた仕上がりになります。
②:駐車場の舗装

ピンコロ石は、駐車場の舗装にも適しています。高い耐久性を持つため、車が頻繁に出入りしても割れる心配は低く、色褪せや劣化もほとんどありません。
また、コンクリートの目地にピンコロ石を使うと、白線のように消耗して消えず、長期間、美しい状態を保てるでしょう。
実際の施工例では、駐車場全体をピンコロ石で敷き詰めて高級感を出したり、目地やライン部分にポイントで使用してデザイン性を高めたりしています。長期的に美しい駐車場を実現したい場合には、ピンコロ石の利用がおすすめです。
③:花壇の縁取り
花壇の縁取りに関しても、ピンコロ石の利用がおすすめです。ピンコロ石は自然な雰囲気を持ち、豊富なカラーバリエーションがあるため、どのようなテイストの庭にも調和します。
また、ピンコロ石は立方体で安定感があり、土壌や植物をしっかり支える土留めの機能を備えているのも大きな強みです。たとえば、ピンコロ石を曲線や直線に並べて花壇の縁取りに使用すると、洋風・和風問わずさまざまな庭にマッチします。
さらに、土が流れるのを防ぎ、長期間美しい状態を保てるのもピンコロ石の特徴といえるでしょう。
ピンコロ石を使う4つのメリット

ピンコロ石は、外構や庭づくりにおいて多くのメリットを持つ石材です。具体的には、以下の4つのメリットが挙げられます。
①:耐久性・耐熱性がある
②:デザインの自由度が高い
③:ビシャン叩きのような加工もできる
④:雑草が生えにくくなる
それぞれ詳しく解説します。
①:耐久性・耐熱性がある
ピンコロ石は主に、花崗岩や石英岩などの硬い天然石から作られているため、割れにくく長持ちします。
また、火山活動で形成された深成岩であるため、耐熱性にも優れており、高温にさらされても変形やひび割れが起こりにくいのも強みです。
たとえば、駐車場の舗装にピンコロ石を使用した場合、乗用車が頻繁に出入りしても割れたり、急激に劣化したりしません。
直射日光や熱にも強く、日焼けや色褪せがしにくいため、長期間美しい状態を保てます。ピンコロ石は耐久性・耐熱性の両面で優れており、長く安心して使える建築素材です。
②:デザインの自由度が高い
ピンコロ石を使う大きなメリットは、デザイン性の高さです。ピンコロ石は豊富なカラーバリエーションと、天然石ならではの個性を持ち、並べ方や組み合わせ次第で多彩なデザインに対応できます。
たとえば、異なる色のピンコロ石をランダムのパターンで配置したり、複数の色を使ってアーチ状や波模様などのオリジナルデザインを作ったりできるのも大きな強みです。
また、単色の色を使ってシンプルで統一感のある仕上がりや、アクセントで一部に異なる色を使い、個性的なデザインに仕上げる場合もあります。
さらに、曲線的なラインや規則的な並べ方など、敷き方の工夫で住まいの雰囲気や好みに合わせた外構デザインを実現できるでしょう。ピンコロ石は色や並べ方のバリエーションが豊富で、理想の外構デザインを自由に表現できる素材です。
③:ビシャン叩きのような加工もできる
ピンコロ石は、ビシャン叩き加工ができるメリットも存在します。ビシャン叩き加工を施すと、石の表面に細かな凹凸が生まれ、デザイン性に加えて摩擦力が高まり安全性も向上するのが特徴です。
結果、雨の日でも滑りにくく、安心して歩行できるようになるでしょう。また、ビシャン叩き仕上げは割肌仕上げよりも形が整い、見た目も美しく高級感のある印象を与えられるのも大きなメリットです。
ピンコロ石はビシャン叩き加工によって、デザイン性と安全性を両立できるため、外構やエクステリアの幅広いシーンで活用されています。
④:雑草が生えにくくなる
ピンコロ石を使うと、雑草が生えにくくなり、お手入れが楽になるメリットがあります。ピンコロ石を敷設する際には、石材の隙間をモルタルで固定するのが一般的です。
モルタルから発生するアルカリ成分が、雑草の根付きや発芽を抑制する働きを持つため、雑草対策に高い効果を発揮します。
砂利や玉石と比べても雑草抑制効果が高く、見た目も美しく保てるため、メンテナンスの負担を軽減できるでしょう。ピンコロ石は雑草対策の効果があり、長期間きれいな景観を維持したい方におすすめです。
ピンコロ石を使うデメリット

ピンコロ石には多くのメリットがある一方で、いくつか注意すべきデメリットも存在します。具体的には、以下の3つです。
①:費用が高額になる
②:仕上がりに差が出る
③:細かな加工に向いていない
ピンコロ石を使う際に考慮すべき3つのデメリットを順番に解説します。
①:費用が高額になる
ピンコロ石を使う場合、他の舗装材と比べて費用が高額になる傾向があります。ピンコロ石は天然石であり、一つひとつ手作業で加工・施工に手間がかかるためです。
また、職人の技術が必要なため施工費も高くなりやすい傾向にあります。総額費用の例は以下の表を参考にしてください。
| 舗装材 | 総額費用(1平米あたり) |
| コンクリート平板 | 6,500〜15,000円 |
| インターロッキング | 12,000〜25,000円 |
| ピンコロ石 | 18,000〜30,000円 |
特に重歩行や駐車場では、仕上がりを考慮してプロの職人に依頼するケースが多く、費用がさらにかかります。
一方で、家族が歩く程度のアプローチやガーデニングなど規模が小さい場所であれば、多くの方がDIYにチャレンジしており、費用も抑えられるでしょう。複数の業者から見積もりを取り、比較検討するのも費用を抑えるためのおすすめの方法です。
②:仕上がりに差が出る
ピンコロ石は、仕上がりに差がでやすいデメリットもあります。ほとんどのピンコロ石が天然石を手作業で割って作られているため、寸法や形状にバラつきが生じやすいからです。
たとえば、目地幅を広く取ると横幅の誤差はある程度調整できるものの、厚みの違いが大きいと表面に段差が生じてしまいます。
ピンコロ石は床で使うため、出来るだけ段差がないように平滑にしたり、水勾配にも気を遣ったりする必要があるでしょう。天然石ならではのバラツキを、バランスよく仕上げられるかが職人の腕の見せ所です。
③:細かな加工に向いていない
ピンコロ石は、複雑な形状や細かな加工には向いていない素材です。大理石のような手触りやタイルのようにピタッとしたデザインにしたい場合は不向きといえるでしょう。
一方で、直線的なラインやシンプルな形状への加工には適しています。ピンコロ石は厚さが9センチもあり、ハーフピンコロであっても、4.5センチあります。柔らかいレンガを車道に使うと稀に割れるケースもありますが、ピンコロ石の場合はほとんど割れることはありません。
もしも、加工する場合は、事前に理想のデザインや加工内容を業者に伝えておきましょう。曲線や複雑な部分には他の素材を併用するなど、設計段階で工夫するのがおすすめです。
ピンコロ石で人気の3つの石種

ピンコロ石は石種によって色合いや質感、特徴が異なります。特に人気なのは以下の3つです。
①:花崗岩(かこうがん)
②:石英岩(せきえいがん)
③:斑岩(はんがん)
①:花崗岩(かこうがん)

用途やデザインのイメージに合わせて石種を選ぶと、理想の空間づくりが実現します。それぞれの石種について見ていきましょう。
花崗岩は、御影石とも呼ばれており、ピンコロ石の中で特に人気のある代表的な石種です。花崗岩は非常に密度が高く耐久性・耐熱性に優れており、割れにくく丈夫なため、外構や駐車場など幅広い用途に適しています。
また、黒・白・グレーなどのカラーバリエーションが豊富で、和風・洋風問わずさまざまなデザインに対応できるのも人気の理由です。
花崗岩は耐久性・デザイン性・カラーバリエーションの豊富さから、用途や好みに合わせて選べる点が多くの方に支持されています。
②:石英岩(せきえいがん)

石英岩は、ピンコロ石に使用される石材の中でも特に耐久性に優れた人気の石種です。石英岩はガラスの原料にもなるほど硬く、吸水率が低いため汚れに強く長期間美しい状態を保てます。
石英岩のピンコロ石は、ベージュ・ホワイト・ブラックなどカラーバリエーションが豊富です。厚みがあり、耐久性も高いため、エクステリアや外構、重歩行エリアにも適しています。
また、表面は割り肌仕上げが多く、キラキラとした光沢が特徴です。石英岩は、高い耐久性と美しい色合いが魅力で、多くの外構シーンで活躍しています。
③:斑岩(はんがん)

斑岩は、独特の模様と豊かな色彩で人気を誇るピンコロ石です。斑岩は色彩が豊かで自然な凹凸もあるため、滑りにくく、庭の舗装やアプローチに適しています。
暖色系やグレー、バイオレットなど色も多彩で、ヨーロッパの伝統的な石畳を思わせる上品な雰囲気が特徴の石種です。
斑岩は美しい模様と高い耐久性、滑りにくさを兼ね備えているため、ピンコロ石の中でも特にデザイン性や機能性を重視する方におすすめの石種といえます。
ピンコロ石の価格と施工費用

ピンコロ石の価格と施工費用は、石種や施工方法、サイズによって大きく異なりますが、石種別の㎡あたりの価格は以下のとおりです。
| 石種 | ㎡あたりの価格 |
| 花崗岩(御影石) | 約13,000円/㎡〜 |
| 斑岩 | 約18,000円/㎡〜 |
| 石英岩 | 約15,000円/㎡〜 |
また、施工費用の㎡あたりの価格は、以下のとおりです。
| 施工方法 | ㎡あたりの価格 |
| 床(庭や玄関の舗装) | 18,000〜20,000円 |
| 積み(花壇の縁取り、階段のステップ) | 22,000〜23,000円 |
| 縁石(駐車場と庭の区切り、玄関の縁取り) | 4,000〜6,000円 |
| ウロコ張り(壁面や庭のオブジェ) | 23,000〜30,000円 |
予算や用途に合わせて石種や施工方法を選び、複数の業者から見積もりを取って納得できるプランを検討しましょう。
ピンコロ石の施工方法

ピンコロ石の施工では、下地づくりや目地詰めなどの工程を丁寧に行うのが、長持ちする外構作りのポイントです。具体的なピンコロ石の施工方法は、以下の手順で行います。
| 工程 | 説明 |
| ①:下地を準備する | 施工面のホコリやゴミを掃除し、バサモルタルとの接着をよくするために水を散布する。 |
| ②:バサモルタルを敷き込む | 砂とセメントを3:1の割合で混ぜたバサモルタルを、厚さ30〜40mm程度で均一に敷き込む。 |
| ③:ピンコロ石を仮並べして調整する | 石の色や大きさ、バランスを見ながら仮並べし、必要に応じてハンマーやディスクグラインダーで形を整える。目地幅が均一になるよう注意する。 |
| ④:セメントノロでピンコロ石を張り付ける | 配置が決まったら一度石を外し、下地にセメントペーストを塗布してから石を貼り付ける。 |
| ⑤:目地を詰めて洗浄する | 石と石の間に目地モルタルをしっかり詰め、表面についた余分なモルタルはスポンジや水で速やかに拭き取る。 |
専門工具と施工ノウハウが必要な工程が多いため、DIYでは水はけや段差処理に注意が必要です。
ピンコロ石の代表的な5つの並べ方

ピンコロ石は並べ方を工夫すると、多様なデザインや雰囲気を実現できます。並べ方によっては、シンプルでモダンな印象から、個性的でアート性の高い空間まで幅広く対応できるでしょう。
代表的なピンコロ石の並べ方には、以下のようなパターンがあります。
ウロコ張り(扇形)

ウロコ張りは、ピンコロ石の並べ方の中で、もっとも代表的な例です。名前のとおり、魚の鱗のように中心に向かってアーチ状に配置します。アート性や動きのあるデザインを演出できるので、玄関前やポイント使いにおすすめです。
通し目地

石を縦横一直線に並べる基本的な方法で、すっきりとした印象に仕上がります。アプローチや駐車場など広い面積に適しているのが特徴です。
馬踏み目地

レンガのように、隣り合う列の石の継ぎ目がずれるように配置する方法です。強度が強く、デザイン性もアップします。
縁取り

花壇やアプローチの縁にピンコロ石を並べて、他の素材との境界やアクセントとして活用します。曲線や直線など、自由なラインを描けるのがポイントです。
以上、ピンコロ石の代表的な4つの並べ方を紹介しました。用途や好みに合わせて配置方法を選び、理想の空間を実現させましょう。
ピンコロ石を使って理想の庭やアプローチを実現させよう

本記事では、ピンコロ石の用途やメリット、デメリットを解説しました。ピンコロ石はデザインの自由度が高く、耐久性にも優れており、外構に欠かせない石材です。
ピンコロ石を導入する際には、ぜひタイルライフをご活用ください。タイル専門のECサイトであるタイルライフでは、さまざまな色味や石種のピンコロ石を取り扱っています。
雰囲気や用途に合わせて選べるピンコロ石を取り揃えているため、お好みのイメージにぴったりのピンコロ石がきっと見つかるでしょう。
また、ピンコロ石を模したタイルもあります。風合いは天然石にはかないませんが、サイズや色味が安定しており施工のしやすいピンコロ風タイルもおすすめです。
ピンコロ石を使って外構をおしゃれに演出したい方や、駐車場や花壇の縁取りなどを個性的に仕上げたい方は、ぜひ以下よりタイルライフECサイトをチェックしてみてください。

