フローリングの溝にたまるホコリや汚れが気になる方も多いと思います。
カーペットなどに比べて日常のお掃除が簡単なイメージがあるフローリングですが、キレイ好きの方が板と板の間の溝部分の汚れをとるために、つまようじや歯ブラシで手間暇かけてお掃除しているお話も伺います。
今回は、フローリングのお掃除で気になる溝について、新築やリフォームで床材を選ぶ際に知っておきたい事をご紹介します。
フローリングの溝に詰まる汚れの正体は?
フローリングの汚れの原因といっても色々あり、主には下記のようなものがあります。
- 足裏の皮脂汚れ
- 食べ物カスや油脂
- 髪の毛や衣服の繊維クズ
- 砂埃
- ダニのフンや死骸
- ペットの毛
- カビ菌
フローリングにたまる汚れといえば、ホコリや髪の毛など目に見える汚れをすぐに思い浮かべますが、素足で歩きまわっていると、実は汗や皮脂汚れなどもたくさんついています。
溝に入り込んで取れない汚れは、このホコリと皮脂汚れが混ざったものになります。
また、それらをエサに繁殖する雑菌もあり、特に湿っぽい部屋だとカビ菌が繁殖しやすいので注意が必要です。
日常のお掃除をしていれば、溝の汚れをそれほど気にする必要はありませんが、どうしても汚れが気になってしまう方はフローリングを選ぶ際の参考としてください。
フローリングの面取りと溝の関係
フローリングの溝は、製品の仕様で初めからフローリング表面の角を面取りしたことでできる溝に加えて、無垢フローリングの伸び縮みによってできる隙間がその溝をさらに大きくします。
無垢フローリングで発生する隙間については、「フローリングに隙間が発生する原因とは?」でご説明したように、無垢フローリングの隙間は木材の性質上、どうしても発生します。
無垢材のフローリングの面取りは、これらの隙間や板の反りやひねりによる表面の段違いなどを目立たなくするために設けられています。
特に、伸び縮みが大きい製品や床暖房対応のフローリングなどには、比較的大きな面取り加工がされています。
一方、複合(合板)フローリングは、無垢材のような動きが少ないため、面取りの必要性は少なくなりますが、施工する際に生じる若干の隙間や表面の段差を目立たなくする意味では、同じように面取りされている製品がほとんどです。
薄い単板(突板)を表面材に使用している複合フローリングでは、視覚的に立体感を出すことで、無垢フローリング風に見せる効果もあります。
無垢の質感で溝の無いフローリングってあるの?
無垢フローリングような質感を求めれば、木材の伸び縮みに対応するための面取りが必要となります。
面取りの小さくお手入れしやすいフローリングを求めれば、表面材が突板と呼ばれる薄い単板を採用したタイプのフローリングか、人工的な樹脂などの化粧シートを貼ったシートフロアになってしまいます。
日本製のフローリングは前述のように、ほとんどの製品が面取りをしていますが、海外のように家の中でも土足で生活する地域では、汚れやゴミなどがたまりにくくするために、面取り加工していないフローリングがあります。
上の写真の商品は、デンマークの商品で表面の板材が3.5mmの厚みがあります。
表面材に挽き板と呼ばれる厚い単板を使用することで、無垢材と同じような質感を出し、基材に合板を使用することで、無垢材に見受けられる反りなどの狂いがほとんどない複合フローリングの良さと無垢フローリングの良さを両立した製品です。
ご覧の通り板の間や製品のジョイント部分には面取りがないため、汚れがたまる心配もありません。
面取りと溝についてのまとめ
無垢材のフローリング、薄い突板を使用したフローリング、挽き板と呼ばれる厚い単板を使用したフローリングなど、色々な種類のフローリングがあります。
その中で、キレイ好きの方にはお掃除で大きな影響を及ぼす可能性のある面取りついて最後にまとめておきます。
面取りがあるメリット
- 無垢フローリングなどの収縮による隙間などが目立ちにくい
- 施工時に生じる隙間などが目立ちにくい
- 複合フローリングでも視覚的に立体感を出すことで、無垢フローリング風に見せられる
面取りがあるデメリット
- 溝部分に汚れがたまりやすい
面取りがないメリット
- 溝部分の汚れを気にせずにすむ
- 見た目がシャープなイメージで、洗練されたイメージ
面取りがないデメリット
- 製品や施工で発生する隙間や段違いなどが目立ちやすい
- 薄い突き板などの表面材の場合は、無垢材の風合いを感じにくい
実際に暮らし初めてから、日々のお掃除やお手入れの中で初めて知ることも多いと思います。
様々な種類のフローリングの中から選ぶ際に、フローリングの面取りの有る無しもひとつの目安として参考にして欲しい事です。