家を外から見たとき、まず目に入るのが外壁です。

外壁は、家の印象を左右するといっても過言ではありません。理想の家をつくりたいなら、外壁タイルにこだわってみるのはよい選択といえるでしょう。

また、外壁タイルは種類が多く、選ぶ楽しさもあります。あれこれ悩んで選んだ外壁タイルには愛着が湧き、今の家がもっと好きになるかもしれません。

とはいえ、種類が多いからこそ選び方に迷うのも事実でしょう。

本記事では、外壁をタイルにするメリット・デメリット、選び方、外壁タイルの種類について紹介します。

外壁をタイルにする2つのメリット

外壁のデザインを考える際、タイルはもちろんですが、塗装やサイディング
(外壁材) といった選択肢も考えられます。

では、外壁をタイルにすることによって、どのようなメリットがあるのでしょうか。

大きく以下の2つが考えられます。

①:耐久性に優れている
②:デザインにこだわることができる


①:耐久性に優れている

タイルは他の外壁材と比べて硬度が高く、簡単には傷つきません。少しひっかいたくらいなら、跡はほとんど残らないでしょう。

また、高温で焼成されたタイルは耐候性が高く、雨や直射日光によるダメージを受けにくく、劣化を抑えられます。

↓30年間で実際に実施した屋外のメンテナンス

部位0年10年20年30年
外壁(2階塗装部分)なし実施実施未定
外壁(1階タイル部分)なしなしなし未定
屋根なし実施実施未定
外装周辺部材 破風板なし実施実施未定
外装周辺部材 雨どいなしなしなし未定

出典:LIXIL


表面が汚れても雨で流れるため、汚れがたまりにくく、きれいな見た目を長期間キープできるのが魅力です。

②:デザインにこだわることができる

タイルは素材やデザインによって表情がさまざまで、デザイン性に富んでいます。

複数のサイズ・色・素材の外壁タイルを組み合わせることにより、自分らしさが表現できる満足度の高い仕上がりを実現することもできるでしょう。

外壁をタイルにする2つのデメリット

外壁をタイルにするデメリットは、以下の2つです。

①:初期費用が高い
②:剥離の危険性がゼロではない


①:初期費用が高い

外壁をタイルにすることで、初期費用は高くなることもあります。

例えば、安価なサイディング外壁と比べると倍以上の金額になる場合も。
タイル貼り用の下地を施してからタイルを貼るため、どうしても高額になってしまいます。

とはいえ、一度完成してしまえばその後のメンテナンスはあまり考えずに済む傾向があるので「長い目で見ればお得」ともいえるでしょう。

②:剥離の危険性がゼロではない

外壁タイルは、しっかり施工すれば剥離することはほぼありませんが、施工が甘いと剥がれ落ちることもあります。

事前にタイルの正しい貼り方をおさえておくことで、剥離のリスクを下げることができます。

以下の記事では、動画を用いながら順を追って詳しく解説しているので、参考にしてください。

【外壁タイルの貼り方解説はこちら】

とはいえ、DIYするのが難しい場所でもあるので、施工は専門業者に任せることも視野に入れておきましょう。

外壁タイルの選び方4つの視点

ここまで、外壁をタイルにするメリット・デメリットについてお伝えしました。
次に実際に外壁タイルを選ぶ際、失敗を避けるための4つの視点について解説します。

①:風合いで選ぶ
②:サイズで選ぶ
③:コストパフォーマンスで選ぶ
④:工法で選ぶ<DIYの場合>


それぞれ解説します。

①:風合いで選ぶ

タイルは素材によって風合いが変わります。
例えば、天然石の風合いを模したタイルや、色ムラがあり焼き物のような独特な風合いが素敵なレンガ調タイル。モノクロで和洋に使えるモダンなものなど。

様々な風合いの外壁タイルがあるので仕上げたいイメージによって自由に選ぶことが出来ます。

②:サイズで選ぶ

外壁タイルを選ぶときは、サイズにも着目しましょう。

一枚一枚のタイルが小さいと、均一で洗練された印象になります。逆に、大きなタイルはタイルそのものの質感を活かしやすく、迫力がありおすすめです。

③:コストパフォーマンスで選ぶ

外壁をタイルで覆うとなると、外壁タイルを大量に購入する必要があります。外壁タイルの違いによる1㎡あたりの価格差はわずかでも、外壁全体分となると大きな価格差が出る場合も。

また、高ければ高いほど外壁タイルの耐久性やデザイン性が優れているかというと、必ずしもそうではありません。

リーズナブルでも、耐久性・デザイン性に優れた外壁タイルは存在します。

購入時に金額を見て「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、コストパフォーマンスにも着目して外壁タイルを選びましょう。

【アウトレット価格のなかでもさらに激安価格で販売中の外壁タイルはこちら】

④:工法で選ぶ<DIYの場合>

タイルの工法には、湿式工法と乾式工法があります。

湿式工法はモルタルで外壁タイルを貼る方法です。重いタイルをコンクリート下地などに効率的に貼り付ける従来からある工法です。

しかし、地震などによって剥離の危険性がクローズアップされるようになってから、後述の乾式工法(接着剤張り)が増えてきています。

乾式工法とは、下地の上に弾性のある接着剤で外壁タイルを貼る方法です。接着剤がモルタルより高価なため湿式工法よりややコストはかかりますが、モルタル施工ほど施工する人の熟練度による影響が少なく、均一に仕上がりやすいのが特徴です。

また、弾性接着剤が下地の動きを吸収するため、モルタル施工の場合のように剥離防止のための目地詰めをしなくてもよいため、デザイン性の高い外壁タイルで細目地や目地無しなどの施工も可能になります。

外壁タイルには湿式工法向け・乾式工法向けのものがあるため、どちらの工法で施工するかを決めたうえで外壁タイルを選びましょう。

たとえば、乾式工法用のタイルは裏面のアリ足がほとんどないことが特徴です。
詳しくは、こちらの記事もご参照ください。

【接着剤貼り用の外壁タイルと普通のタイルの違いはこちら】

以上、タイルの選び方について解説しました。
上記の視点を押さえておけば、タイル選びで迷うことが減るはずです。

外壁タイルの種類【素材編】

ここからは、実際に外壁タイルを選ぶうえで押さえておきたい外壁タイルの種類を紹介します。まずは素材についてです。

①:磁器質タイル
②:せっ器質タイル


①:磁器質タイル

長石・石英・粘土などを1,200〜1,350℃で焼成して作るタイルです。硬度が高く、吸水率が1%以下と非常に低いので、耐久性に優れています。

②:せっ器質タイル

粘土・長石などを1,200℃前後で焼成して作るタイルです。吸水率は5%以下と磁器質タイルの吸水率より高いものの、硬度は十分で耐久性に優れています。

磁器質タイルよりも素朴な風合いなので、素材の表情を活かしたい場合におすすめです。

外壁タイルの種類【サイズ編】

続いて、タイルのサイズについて解説します。外壁タイルのサイズには以下の種類があります。

①:外装モザイクサイズ
②:レンガサイズ
③:ボーダータイルなど、その他サイズ


①:外装モザイクサイズ

95mm×45mmの50mm二丁(45二丁)タイルや、45mm×45mmの50mm角(45角)が代表例として挙げられます。

外装モザイクは30cm角のシート状にしてあるので、施工しやすいのがメリットです。また、マンションなどの外壁に使用されることが多い外装モザイクは安価なのもうれしいポイント。広い面を覆うのにおすすめです。

外装モザイクは50mm角、50mm二丁、50mm3丁などサイズ展開が多く、規格化されているので、どのメーカーのタイルでも自由な組み合わせ方が可能なのも特徴のひとつです。

②:レンガサイズ

227mm×60mmの二丁掛タイル、108mm×60mmの小口平タイルが代表例として挙げられます。

二丁掛タイルはレンガをベースにしたサイズなので、このサイズのレンガタイルやブリックタイルを選べばレンガ積み風の外壁を演出できます。

小口平タイルはレンガの小口面をベースにしたサイズで、同じくレンガのサイズをベースにした二丁掛タイルと高さが一緒です。

小口平タイルと二丁掛タイルを組み合わせて使うと、レンガの質感を再現しやすくなります。

③:ボーダータイルなど、その他サイズ

その他、細長いサイズのボーダータイルがあります。
様々なサイズのボーダータイルがありますがユニット化されている場合もあり、スタイリッシュな雰囲気のものが多いです。

他にも近年人気のサブウェイタイルサイズ(150×75mm)や正方形の外壁タイルもあります。

どのサイズをどこに用いるのか「定番が知りたい」という方は、以下の記事も参考にしてみてください。

外壁タイルの種類【面の形状編】

タイルには加工方法によってさまざまな面の形状があります。
代表的なものを8つ紹介します。

①:フラット面
②:ブラスト面
③:ラフ面
④:割り肌面
⑤:スクラッチ面
⑥:磨き面(鏡面)
⑦:ハツリ面
⑧:特殊面状


各面状の詳細については、下記URLをご参照ください。

【タイルの面状の種類】

表面がつるつるなもの、ざらざらなもの、釘状に引っかかれたものや凹凸があるものなど、面状によって風合いが大きく変わるため、あなたの好みにあった風合いを選んでみてください。

外壁タイルの種類【色味編】

外壁タイルは色味にも2つの種類があります。

①:無釉タイル
②:施釉タイル


①:無釉タイル

釉薬と呼ばれるうわぐすりがかかっていない、素地の持つ色味を生かした光沢のないタイルを指します。

代表的なものとしてはレンガ調、ベージュやアイボリー系の土ものタイルが挙げられます。

②:施釉タイル

釉薬と呼ばれるうわぐすりがかかっている、光沢のあるタイルが多く、中には光沢を抑えたマット調のタイルもあります。

色の均一性を狙ったものと、あえて1枚1枚の色合いを微妙に変え、味わいをもたせたタイルとがあります。

焼成温度や焼成方法によって色合いに差が出るため、選び方・考え方によって大きく個性が出る点といえるでしょう。

外壁タイルの選び方を押さえて理想の家をつくろう

外壁タイルを選ぶときに必要な視点や、外壁タイルの種類について解説しました。

外壁タイルは素材やサイズ、風合いや色味が豊富なので選択に迷うかもしれませんが、時間をかけて選んだタイルで施工された外壁には愛着が湧くもの。きっと「理想の家」ができるはずです。

タイルライフでは、市場で絶版になってしまったアウトレットタイルから、有名メーカーのタイルまでを取りそろえています。

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【外壁タイル一覧はこちら】

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