タイルは外壁から玄関、屋内まで、幅広い場所に使える建材です。タイルのデザインや機能性にこだわることで、家の外観や内観、メンテナンス性が変わってくるといえます。
とはいえ、タイルには種類が多いので、どのような視点で選べばよいのか分からない人もいるでしょう。
そこでこの記事では、タイルの選び方のポイントを紹介します。玄関、キッチンなど場所別の選び方についても触れているので、参考にしてみてください。
タイルの選び方のポイント7つ
それではさっそく、タイルの選び方のポイントを紹介します。この記事で紹介するのは以下の7つです。
①:適正表示を確認して選ぶ
②:施工場所の特性に合わせて選ぶ
③:色やデザインで選ぶ
④:サイズで選ぶ
⑤:メンテナンス性の高さで選ぶ
⑥:コストパフォーマンスで選ぶ
⑦:工法で選ぶ(外壁をDIYする場合)
1つずつ見ていきましょう。
①:適正表示を確認して選ぶ
タイルには、メーカーの定める「適正表示」がなされています。
適正表示とは、メーカーがタイルの用途に合った場所や機能性などを示したもの。例えば、「屋外床」「屋内壁」といったように表示されています。
屋外の床に「屋内床」と表示されたタイルを使うなど、適性の合わないタイルを使うと、滑りやすくなったりタイルが破損したりする原因になります。
また、とくに屋外や浴室に使うタイルは、耐凍害性も確認しましょう。冬に気温が氷点下まで下がったり、雪が積もったりする地域で耐凍害性のないタイルを使うと、タイル内部に入った水分が凍って膨張し、タイルが割れたり欠けたりする可能性があります。
適正表示を確認して正しい用途のタイルを選ぶことは、安全のためにもタイルを長持ちさせるためにも重要です。
②:施工場所の特性に合わせて選ぶ
タイルは玄関に使うのかキッチンに使うのかなど、施工場所の特性によっても選ぶときのポイントが変わってきます。ここでは、以下の5カ所に合ったタイルの選び方を紹介します。
②-1:玄関床タイルの選び方
②-2:外壁タイルの選び方
②-3:駐車場タイルの選び方
②-4:キッチンタイルの選び方
②-5:浴室タイルの選び方
それでは、施工場所ごとにタイルの選び方を見ていきましょう。
②-1:玄関床タイルの選び方
玄関床タイルは、雨の日だとすべりやすくなるので、「屋外床」の適正表示があるタイルを選びましょう。とくに玄関の外床は雨で濡れやすいため、すべりにくさを重視する必要があります。
ただし、すべりにくいタイルは表面が凸凹しているので、凸凹に汚れがたまって目立ちやすいというデメリットも。汚れを目立たなくするには、色の濃いタイルを選ぶのがおすすめです。
↓玄関床タイルの選び方について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
②-2:外壁タイルの選び方
外壁タイルは雨や直射日光に長期間さらされるので、高い耐久性が求められます。「屋外壁」の表示があるタイルを選べば問題ないでしょう。
また、外壁は家の印象を左右します。色や質感など、理想とするデザインを意識してタイルを選ぶことも重要です。
↓外壁タイルの選び方について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
②-3:駐車場タイルの選び方
車の重量で割れないよう、駐車場タイルは強度を重視して選びましょう。サイズが小さめで厚みのあるタイルを選べば、割れるのを防げます。具体的には、縦横100~150mm以下、厚さ10~15mm以上を目安にして選んでください。
また、雨がかかる屋外の駐車場であれば、「屋外床」の表示があるタイルかどうかも要チェックです。
②-4:キッチンタイルの選び方
キッチンは油などの汚れがつきやすい場所なので、掃除しやすいタイルを選びましょう。
とくにキッチンカウンター前は油はねが多いので、汚れが気になりやすいところです。表面がツルツルした施釉タイル(釉薬をかけたタイル)を選ぶと汚れを拭き取りやすくなります。
キッチンの天板には、鍋などの硬いものを置くので、強度の高いタイルを選ぶことも大切です。タイルの材質のなかで強度が最も高いのは磁器質(Ⅰ類)です。
好みのタイルが見つかったとしても、磁器質(Ⅰ類)であるかを確認した上で施工することをおすすめします。
↓キッチンタイルの選び方について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
②-5:浴室タイルの選び方
浴室タイルは、浴室壁タイルと浴室床タイルに分けられます。
浴室壁タイルには、適正表示が「屋内壁」のタイルを選びましょう。水が凍るくらいの寒冷地で使用する場合は、「耐凍害」のタイルを選ぶ必要もあります。
浴室床タイルには、適正表示が「浴室床」のタイルを選べば問題ありません。ただし、すべりにくいタイルは表面がザラザラしすぎていて、素足での歩行には適さない場合も。サンプルを取り寄せたり店舗に足を運んだりして、感触を確かめることをおすすめします。
↓ 浴室タイルの選び方について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
以上、施工場所ごとにタイルの選び方を説明しました。タイルを長持ちさせるためにも快適に暮らすためにも、使う場所の特性に合わせてタイルを選びましょう。
③:色やデザインで選ぶ
タイルの色やデザインは幅広く、どのようなタイルを選ぶかによって空間の印象が変わります。
例えば、光を取り込むような明るく清潔感のある空間にしたいなら白いタイル、西洋の建物のようなおしゃれな印象にしたいならレンガ調タイルなど、目指したいイメージに合わせて色やデザインを選びましょう。
④:サイズで選ぶ
タイルはサイズの展開も豊富です。
大きいタイルを選ぶと、タイル1枚1枚の存在感が増し、迫力のある仕上がりになるでしょう。
また、大きいタイルを使うと、小さいタイルを使った場合に比べて目地の総面積が小さくなるので、掃除がしやすくなるというメリットもあります。
一方、小さいタイルを選ぶと、モザイクアートのような繊細な仕上がりに。
小さいタイルは、大きいタイルに比べて施工箇所の曲面をカバーしやすいというメリットもあります。
⑤:メンテナンス性の高さで選ぶ
タイルはもともとメンテナンス性の高い建材です。しかし、玄関であれば雨や土、浴室であればせっけんかすなどに長い時間さらされていると、汚れがついてきます。
汚れを防いで手入れを楽にするためには、防汚性能の高いタイルを選ぶと良いでしょう。
⑥:コストパフォーマンスで選ぶ
施工場所にもよりますが、ある場所をタイルで覆うとなると、タイルが大量に必要となるケースが多いです。1㎡あたりの価格はタイルによって幅が広く、どのタイルを選ぶかによって大きな価格差が出ます。
また、値段が高いほどタイルの性能が高く、理想的なデザインのものが見つかりやすいかというと、必ずしもそうではありません。お手頃価格でも、性能・デザインともに納得のいくタイルが見つかる場合もあります。
タイルはイニシャルコストは高くなりがちですが、メンテナンスの必要があまりないため、長期的にみてお得な場合もあります。ランニングコストも含めトータル的なコストパフォーマンスも意識してタイルを選びましょう。
⑦:工法で選ぶ(外壁タイルをDIYする場合)
外壁タイルの工法には、湿式工法と乾式工法があります。
湿式工法は昔ながらの工法で、モルタルで外壁タイルを貼る方法です。
乾式工法は、接着剤を使って下地の上に外壁タイルを貼る方法。接着剤はモルタルより高いので費用は少々かさみます。しかし、施工する人の熟練度によらず、仕上がりが均一になりやすいのはメリットです。
外壁タイルには、湿式工法向けのものと乾式工法向けのものがあるので、どちらの工法で施工するか決めてから外壁タイルを選びましょう。
以上、タイルの選び方を紹介しました。上記のポイントを押さえてタイルを選べば、施工場所に適したタイルを選べるはずです。
タイルの選び方を押さえて理想の家にしよう
タイルを選ぶ際は、理想とする色やデザインだけでなく、施工場所に適しているか、タイルの機能性もチェックする必要があります。
例えば、浴室の床タイルなら「浴室床」の適正表示があるタイル、キッチンタイルなら汚れを拭き取りやすいツルツルしたタイルなど。
場所に適したタイルを選ぶことは、快適に暮らし、タイルを長持ちさせることにつながります。
この記事で紹介したタイルの選び方を参考に、理想とするタイルを探してみましょう。
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