石材の選び方
外壁に使う石材の選び方
外部に石材を使用する場合は、耐候性やメンテナンス性を考慮して選択する必要があります。
御影石は耐候性やメンテナンス性に優れるため、最も多く使用されています。
砂岩やライムストーン(石灰岩)などの使用例もありますが、吸水性の高い石種の場合は、メンテナンスのしやすい場所や施工高さも考慮してください。
吸水性の高い石種を外壁に使用した場合は、苔や白華現象などの発生する可能性が高いためです。
また、排気ガスなどの多い場所では、表面の凹凸の大きい割肌仕上げなども汚れが付着しやすいためメンテナンスを含めて検討が必要になります。
スレート(粘板岩)など積層状の組成の石材は、表面層が剥がれやすい石種もあるため、落下防止の観点から注意が必要となります。
内壁に使う石材の選び方
外壁に使う石材と比べ耐候性などは関係が無いため、用途やインテリア性などを考慮して選択してください。
リビングルームなどは大理石などが一般的で、砂岩など表情のある石材をアクセント的に使用するなど柔らか味のある石材もお薦めです。
キッチンやトイレなどの水を使用する場所では、一般的に衛生面やお掃除のことを考慮して吸水性の高い石材は、避けたほうが良いでしょう。
浴室に使う石材の選び方
浴室の壁
水を使う場所のため、外壁に石材を使う条件を参考に、吸水性やメンテナンス性を考慮して選択する必要があります。
大理石は基本的に水に弱く、メンテナンスが充分でない場合は表面の光沢が徐々に落ちてしまいますので、水のかかる具合やメンテナンスの頻度を考慮した上で採用してください。 水が良くかかる場所には、御影石を使用して、その他の部分を大理石にする等で使い分けることもあります。
吸水性の高い石材は、カビが発生しやすいため換気とこまめな清掃が必要になります。
毛染め液は染みになりますので、淡い色の石材などの場合は特にご注意下さい。
浴室の床
水を使う床材として、滑りにくい仕上げをした石材を選択する必要があります。
御影石のジェットバーナー仕上げなどが一般的で、石英岩の割肌仕上げなども使用されます。
石鹸かす、皮脂汚れ等が付着してすべる原因となることがありますので、適切な清掃は必要です。
大理石や石灰岩は基本的に水に弱いため、あまりお薦めしません。
毛染め液は染みになりますので、淡い色の石材などの場合は特にご注意下さい。
外床に使う石材の選び方
外部の床に石材を使用する場合は、耐候性やメンテナンス性と雨水などで滑らないよう滑りにくい仕上げをした石材を選択する必要があります。
御影石のジェットバーナー仕上げは、耐候性やメンテナンス性に優れ、滑りにくい仕上げでもあるため、パブリックスペースから住宅まで幅広く採用されています。
自然素材の温かみや風合いを感じさせる石英岩やスレート(粘板岩)、ライムストーン(石灰岩)などの割肌仕上げの石材も多く採用されています。
スレート(粘板岩)やライムストーン(石灰岩)の中には、歩行頻度の多いパブリックスペースや駐車場などには、強度面で注意を要する石種もあります。
内床に使う石材の選び方
外部の床に使う石材と比べ耐候性などは関係が無いため、用途やインテリア性などを考慮して選択してください。
リビングルームなどは大理石が一般的で、近年は、温かみのあるライムストーン(石化岩)の半磨き仕上げなども見受けられます。
合板下地などの場合は、モルタル下地と異なり下地がたわむ可能性があるため、根太ピッチなどを細かくするなどの対策が必要です。
キッチンやトイレなどの水を使用する場所では、一般的に衛生面やお掃除のことを考慮して吸水性の高い石材は、避けたほうが良いでしょう。
また、トイレの場合は、尿やトイレ用洗剤が飛散した場合、石材表面の光沢に落したりすることもあります。
インテリア性を優先し、吸水性の高いライムストーン(石灰岩)などを使用する場合は、石材用コーティング剤などで保護する等の方法もあります。
玄関床に使う石材の選び方
玄関の外側で雨水などのかかる部分は「外床に使う石材の選び方」と同様ですが、玄関の内側の場合は、滑ることへ配慮しつつ、汚れにくさ(お掃除のしやすさ)、傷がつきにくいなども考慮して石材や仕上げを選択する必要があります。
上記の条件を考慮した戸建て住宅の玄関のオーソドックスなパターンとしては、御影石の同じ石種でジェットバーナー仕上げを玄関の外側で、磨き仕上げを玄関の内側に使用するのが一般的です。
玄関の内側を一つの空間と考え、玄関内部の床や壁の仕上げと石材をコーディネートし、玄関外部も外壁などとコーディネートした石材にする場合もあります。
大理石モザイクパターンをアクセントに使用する手法もあります。
玄関の内側が磨き仕上げの場合は、履物に付いた水分で滑らないように、また、砂などで石材に傷が付かないようにするため、足拭きマットを玄関の外側に設置することをお薦めします。
御影石のジェットバーナー仕上げと磨き仕上げを併用し、色の濃淡の差が気になる場合は「石材用コーティング剤 濡れ色仕上げ」でジェットバーナー仕上げの方を濡れ色にして色を濃くして近づける方法があります。