大理石
大理石という名称は、中国雲南省北西部の「大理」地区で採れた石に由来しています。
英語では、マーブル(MARBLE)と呼ばれ、「きらきら光る」というギリシャ語が語源だと言われています。
大理石の名称は、石灰岩系の岩石や蛇紋岩なども含み装飾性に富む石材の総称として用いられています。
大理石は石灰岩(ライムストーン)が地殻の変動やマグマの熱によって変成作用を受けて再結晶化した変成岩の一種で、鉱物学的には「結晶質石灰岩」と呼ばれています。
構成する鉱物は、無色または白色の方解石で、炭酸カルシウム(CaCO3)を主成分とし、 風化に対しては御影石よりも劣ります。
石灰質の混入鉱物によって、白・ベージュ・灰・緑・茶・黒などの色の大理石があり、無地に近い大理石のほか、縞・筋・更紗・蛇紋などの模様が入り、緻密で磨くと光沢がでます。
御影石に比べて軟らかく加工がしやすく、様々な模様や色調が美しいのが特徴です。
磨いて光沢のある大理石を屋外に使用した場合は、酸に弱い性質のため、酸性を帯びた雨にさらされると、表面が荒れ、半年から一年で表面の光沢がなくなるため注意が必要です。
建築石材としては、主として建物内部に用いられる代表的な装飾石材で、古代のギリシャ人は、大理石を使って、 多くの美しい神殿建築を建て、ギリシャ工芸の精髄といえる彫刻を残しています。
大理石の主な産出国は、イタリアが最も多く、その他にギリシャ・スペイン・ポルトガルなどが上げられます。
代表的な石種としてはビアンコカララ(イタリア)、ボテチーノ(イタリア)、トラバーチン(イタリア)、クレママーフィル(スペイン)などがあります。