「エコカラット」という言葉を聞いたことはありますか?エコカラットは壁タイルの一種です。
デザイン性が高くおしゃれな空間を演出でき、なおかつ湿度の調節、脱臭などの機能性に優れていることから人気があります。
本記事ではエコカラットとはどのような商品なのか、エコカラットのメリット・デメリット、人気のデザインなどをご紹介します。
壁タイル「エコカラット」とは?

エコカラットとは、LIXILが開発した内装壁機能建材であり、「多孔質(たこうしつ)セラミックス」と呼ばれる内部に無数の気孔(ポーラス)があるセラミックスでできています。
1999年に発売された商品で、20年以上のロングセラーです。
エコカラットは2019年に「エコカラットプラス」にモデルチェンジし、水拭きが可能になりました。
従来のエコカラットと比較して、お手入れがより簡単になりました。
機能性に優れていると定評のあるエコカラットですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
エコカラットの4つのメリット

エコカラットはおしゃれなだけではなく、機能面でも優れた特徴があります。
エコカラットのメリットは、主に4つです。
①:調湿効果
②:脱臭効果
③:有害物質の低減効果
④:水拭きによるお手入れが可能
それぞれ解説します。
①:調湿効果
エコカラットは、湿度を調節する効果があります。
秘密は、エコカラットに開いている無数の細かい孔(あな)です。部屋の湿度が高くなると、孔から湿気を吸収し、部屋の湿度が低くなると、孔から湿気を放出します。
除湿と加湿どちらの役割も担うので、湿度の高いジメジメした夏や乾燥が気になる冬なども1年中、快適に過ごすことができます。
また、梅雨の時期に窓や家具などにカビが生えてしまって、嫌な思いをした経験はあるでしょう。
エコカラットは珪藻土の約6倍、調湿壁紙の25倍以上の吸放湿量があり、結露を抑えカビやダニの繁殖を抑制することも期待できます。
②:脱臭効果
玄関を開けた瞬間に、家の臭いが気になることはありませんか。
エコカラットは、トイレ、玄関、生ゴミ、ペットなどの生活臭の原因物質をすばやく吸着し、臭いをやわらげる効果があります。
LIXILの試験データによると、エコカラットの脱臭効果は珪藻土や壁紙に勝るという結果も出ています。
エコカラットは、嫌な臭いを撃退してくれる頼もしい存在と言っても過言ではないでしょう。
③:有害物質の低減効果
エコカラットの原料には、有害物質が含まれていません。
有害物質を含まないだけではなく、空気中のホルムアルデヒドやトルエンなどの有害物質を吸着し、低減する効果があります。
これらの有害物質は高濃度になると、体調不良を引き起こします。
気付かないうちに健康を損ねてしまうのは怖いですよね。
とくに、体の小さな子どもは、空気環境による影響を受けやすいと言われています。
エコカラットで空気環境を整えることは、家族の健康を守ることに繋がります。
④:水拭きによるお手入れが可能
エコカラットプラスは、調湿タイルであるにもかかわらず水を吸収しにくいので、雑巾などを使った水拭き掃除が可能です。
汚れがひどいときは、お掃除用洗剤やメラミンスポンジを使用するとよいでしょう。
お子様が汚れた手で触ってしまったり、飲み物をこぼして汚れてしまったりしても、簡単に掃除できるので安心ですね。
エコカラットの4つのデメリット

おしゃれで機能的なエコカラットですが、デメリットもあります。
主に以下の4つです。
①:費用が高い
②:割れやすい、欠けやすい
③:少ない面積では効果を発揮しにくい
④:画びょうや釘を打つことができない
それぞれ紹介します。
①:費用が高い
一番のデメリットは値段が高いことです。
エコカラットは一番安いもので7,900円/㎡、高いものだと19,800円/㎡で、プラス施工代がかかります。
一般的なクロスの相場は約1,000〜1,500円/㎡ですので、比較するとエコカラットの方が高めであることが分かります。
エコカラットの費用をおさえる方法は、価格の安いデザインを選ぶ、相見積もりを取って施工価格が安価な業者を選ぶ、業者に頼まず自分で施工するなどがあげられます。
②:割れやすい、欠けやすい
エコカラットは多孔質なため、破損しやすいことが弱点です。
金属やプラスチックなど硬いものでひっかいたり、物がぶつかったりすると、傷が出来たり欠けたりする恐れがあります。
例えば、壁から床までぴったりエコカラットを貼ると、掃除機をかけているときに掃除機のヘッドがぶつかって割れてしまうことがあります。
そのため、幅木の上から貼ることをおすすめします。
③:少ない面積では効果を発揮しにくい
エコカラットの公式サイトによると、調湿効果を発揮する目安として、床面積の4分の1以上の壁面積に施工することを推奨しています。
これよりも少ない面積で施工した場合は、期待する効果を得られないかもしれません。
臭いに関しては、床面積の4分の1より少ない面積でも、効果を感じられることがあります。
エコカラットを施工する壁面積が小さい場合は、加湿器や除湿器を併用して部屋の湿度を調整するとよいでしょう。
④:画びょうや釘を打つことができない
エコカラットの上からは、画びょうや釘を打つことはできません。
例えば、部屋の壁全面をエコカラットにしてしまうと、時計や絵画などを何も付けることができなくなってしまいます。
もしもエコカラットの壁に掛け時計などを付けたい場合は、ピクチャーレールを取り付けることで可能になります。
ピクチャーレールとは壁や天井に設置するレールのことで、壁に穴を開けずに絵画などを吊るして飾ることができるアイテムです。
では、エコカラットとタイル、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
エコカラットとタイルの違い

エコカラットとタイルの違いは3つあります。
①:素材
②:施工法
③:種類
それぞれ解説します。
①:素材
エコカラットは多孔質であるため、調湿機能に優れていることに加え、とにかく軽いのが特徴です。
一方、タイルは焼き固められ素地が詰まっているので、ほとんど吸水せず、汚れにくいけれど、一定の重さがある。という素材の違いがあります。
②:施工法
施工法といっても、基本的な作業の流れはエコカラットもタイルも同じですが、先に紹介したように素材が違うため、使う道具(接着剤)などに違いがあります。
エコカラットとタイルの施工法で大きく異なる点は、エコカラットに目地材は詰めないという点です。
エコカラットは多孔質のため、塗り目地にて目地材を詰められず、基本的にはタイルとタイルを隙間なく突き合わせる「突き付け」をするか、デザイン上の問題で1mm無いぐらいの隙間を残した施工法となります。
もちろん、タイルでも目地無しで施工する商品もありますが、基本的には目地材を詰めるのが一般的です。
また、エコカラットを切断するときは、ペンシルカッターやプラ板用カッターを使って、傷を付けて割ります。
壁に貼り付けるときに使用するのは、専用接着剤(スーパーエコぬーるG)です。
一方、タイルを切断するときは、タイルカッターや電動工具を使用します。モルタルまたは接着剤で貼り付けるという違いがあります。
③:種類
LIXILの最新カタログに載っているエコカラットは、全38種類です。
風合いは石目調が中心で、ピンクや水色などの明るめなカラー、白やベージュやグレーなどの落ち着いたカラーまで揃っています。
機能性は、どのデザインでも同じです。
タイルは、カラーやサイズ、風合いも数え切れないほど豊富にあります。
例えば、エコカラットと風合いが似ている石目調のタイル、懐かしさを感じる昭和レトロなモザイクタイル、多彩な色を使った独特な絵が描かれたマジョリカタイルなど、さまざまなものがあります。
以上のように、エコカラットとタイルにはそれぞれ違う点があります。
では、エコカラットとタイル、どちらを選んだらよいのでしょうか。
エコカラットとタイルのシチュエーション別の選び方

何を重視したいかによって選ぶべき選択肢が変わるので、重視したいこと別に選び方のコツをご紹介します。
機能性を重視したい人は「エコカラット」
デザイン性だけでなく調湿効果、脱臭効果などの機能性を重視したい人はタイルよりもエコカラットがおすすめです。
例えば、部屋の空気の質を上げたいが、除湿器、加湿器、空気清浄機などの物を増やしたくない方にはエコカラットが向いています。
空気を整える家電は便利ではありますが、家電を置くスペースが必要になります。
物が少なくすっきりとした部屋にしたいと考えている方には、壁に貼るだけのエコカラットなら物を増やすことなく空気を快適にできます。
また、空気清浄機などの家電は、定期的に分解して洗浄する必要がありますが、エコカラットは汚れたときに拭くだけです。
お手入れが簡単にできるので、忙しくて家事に時間をかけられない方にも最適です。
耐久性・メンテナンス性を重視したい人は「タイル」
耐久性を重視したい人は、エコカラットよりもタイルがおすすめです。
エコカラットは割れやすく欠けやすいのに対して、タイルは衝撃に強く丈夫です。
また、エコカラットはキッチンなどの汚れやすい箇所には向いていないのに対し、タイルはメンテナンス性が高く、年月が経ってもほとんど劣化しません。
デザイン性の高いおしゃれな壁にしたいけれども、メンテナンスの手間ができるだけかからない方がよい方にはタイルが最適です。
多くのデザインから選びたい人は「タイル」
タイルは、シンプルなものから装飾的なものまで、デザインの種類が豊富なため、多くのデザインの中から選びたい人はエコカラットよりもタイルがおすすめです。
エコカラットの中で、気に入ったデザインが見つからない方や、個性的なインテリアを好む方はタイルを選ぶとよいでしょう。
では、エコカラットはどのような場所に貼るのがよいのでしょうか。
エコカラットを施工する5つのおすすめの場所

エコカラットを施工するおすすめの場所を5つご紹介します。
①:リビングのテレビの背面
②:玄関
③:トイレ
④:洗面所
⑤:寝室
それぞれ解説します。
①:リビングのテレビの背面
リビングのテレビの背面にある壁は、面積が広く目立つため、エコカラットの施工場所として人気です。
凹凸のあるエコカラットがインテリアのアクセントになり、クロスとは違った雰囲気にすることができます。
例えば、壁がフラットだと、すっきり見える反面、単調な部屋になりがちです。
壁紙を白にし、白のエコカラットを貼ることで、空間にメリハリがついて部屋が広く感じられるようになります。
②:玄関
靴の臭いや湿気がこもりがちな玄関に、エコカラットを導入することもおすすめです。エコカラットが嫌な臭いや湿気を吸収してくれます。
エコカラットは間接照明とも相性が良く、組み合わせることで、ホテルのようなおしゃれな空間を作ることができます。
玄関は、家に入るときに一番最初に目に入る場所なので、家の第一印象を決める場所です。素敵な玄関は、思わず自慢したくなってしまいますね。
③:トイレ
エコカラットは、脱臭効果があるため、臭いが気になるトイレにもおすすめです。
トイレは面積が狭いため、費用をおさえることができます。
エコカラットを採用してみたいが、まずは小さい面積で試してみたい方にも、トイレを推奨します。
おしゃれで清潔なトイレは、来客時にも安心して使ってもらえます。
④:洗面所
湿度が高い洗面所に、エコカラットは最適です。
エコカラットは調湿機能がありますので、湿度をコントロールしてくれます。
カビの抑制効果も期待できますので、洗面所を清潔に保ちたい方におすすめです。
⑤:寝室
エコカラットは寝室とも相性が良いです。
エコカラットは、快適な湿度を保ってくれるため、リラックスして眠ることができます。
冬場に、寝ている間に乾燥で喉を痛めてしまう方などにおすすめです。
1日8時間寝ると仮定すると、1日の3分の1は睡眠時間になります。寝室の空気を快適にすることは、生活の質を上げることに繋がります。
エコカラットの人気デザイン5選

エコカラットはデザインの種類が多く、どれがよいのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
人気のデザインを5つご紹介します。
①:ストーングレース

ストーングレースは、迫力のある大きな砂岩の流れ模様です。
天然石を忠実に再現しており、落ち着いた上品な雰囲気があります。
ストーングレースは、1枚のサイズが606mm×303mmで大判のため、狭い場所に貼ると圧迫感が出てしまいます。広い場所に貼るようにするとよいでしょう。
カラーバリエーションは、グレー、ベージュ、ダークグレー、チャコールの4色です。
②:ルドラ NX

ルドラ NXは、クォーツサイトの石柄を表現したデザインです。
細長いタイルを組み合わせたシート状になっていて、凹凸があるため壁を立体的に見せる効果があります。
白、黒、グレーなどのシンプルな色使いの、物が少なく、すっきりとした都会的なインテリアによく合います。
カラーバリエーションは、ホワイト、グレー、ダークグレーの3色です。
③:ヴァルスロック

ヴァルスロックは、スイスのヴァルス地方で採掘される石材をイメージしたデザインです。
まるで本物の石のような質感で、重厚感があり、ホテルのような高級な雰囲気のインテリアと相性が良く、人気があります。
カラーバリエーションは、ホワイト、グレー、アッシュブラウンの3色です。
エコカラットの中でアッシュブラウンがあるのはヴァルスロックのみとなります。
④:ディニタ

ディニタは、複雑で自然な石をリアルに再現した石積みのデザインです。
タイルの色や柄が1つ1つ異なっており、コントラストの美しさが特徴になっています。
カラーバリエーションはホワイト、グリーン、ダークグレーの3色です。
⑤:ネオトラバーチン

ネオトラバーチンは、トラバーチン特有のレリーフと縞模様の組み合わせたデザインです。
トラバーチンというのは、大理石の一種です。
遠めに見ると木材のようにも見えるので、一般的な大理石と比べて温かみを感じられ、ナチュラルな雰囲気のインテリアとの相性もよいです。
ネオトラバーチンは、606mm×303mmの大判サイズのタイルなので、リビングなどの広い面積の壁に向いています。
カラーバリエーションは、ベージュ、グレー、スモーキーブラウンの3色です。
エコカラットでワンランク上の快適空間をつくろう!

本記事ではエコカラットとはどのような商品なのか、エコカラットのメリット・デメリット、人気のデザインなどをご紹介しました。
デザイン性が高いだけではなく、機能性にも優れているエコカラット。
魅力的な商品なので、施工を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
エコカラットの購入費用を少しでもおさえたい方は、タイル専門のECサイトでの購入がおすすめです。
タイルライフは、アウトレットタイル専門通販サイトです。エコカラットをはじめとした様々なタイルをお求めやすい価格で販売しています。
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