サブウェイタイルは、元々はニューヨークの地下鉄に使用された白い横長のタイルが源流で、そこから青色や少し細長いデザインのおしゃれな「サブウェイタイル風のタイル」へと派生し、室内のデザインに幅広く使用されるようになりました。
サブウェイタイルを使えば、水回りをはじめとした家の内装を、おしゃれなカフェ風や海外風に仕上げることができます。
サブウェイタイルをどのように使えば理想の仕上がりになるのか、施工事例を見ながらイメージすれば、タイル選びがスムーズになるでしょう。
本記事では、サブウェイタイルを使用した施工事例を挙げながら、サブウェイタイルの種類についてご紹介します。
ぜひ、タイルを選ぶ際に参考にしてみてください。
サブウェイタイルの施工事例【使う場所で選ぶ】
はじめにサブウェイタイルを使った施工事例を、タイルを使用する場所ごとに3つ紹介します。
①:【キッチンカウンター】青色のサブウェイタイルを施し、おしゃれなカフェ風にした例
②:【浴室】スタンダードな白色のサブウェイタイルを使用し、シンプルなホテルライクの空間にした例
③:【洗面台】グレーのサブウェイタイルを壁面に施し、モダンでシックな印象にした例
それでは、1つずつ見ていきましょう。
①:【キッチンカウンター】青色のサブウェイタイルを施し、おしゃれなカフェ風にした例
最初に紹介するのは、カウンターキッチンの前面の壁に青色のサブウェイタイルを使用した事例です。
ツヤのある青色のサブウェイタイルをカウンターや棚のナチュラルな木目板と合わせることで、明るく清潔感のある印象を持たせ、おしゃれなカフェ風のキッチンになっています。
ダイニングやリビングから見えるカウンターキッチンの前面の壁をサブウェイタイルで装飾すれば、部屋全体の印象もがらっと変わるでしょう。
②:【浴室】スタンダードな白色のサブウェイタイルを使用し、シンプルなホテルライクの空間にした例
名古屋モザイク工業 内装タイル マルアーク 194×54角・94×54角紙貼り(ブライト)(ハイドロテクト内装用) HD-RF-40
つぎに紹介するのは、浴室の壁一面に白色のサブウェイタイルを貼った例です。
サブウェイタイルの定番とも言える白色のサブウェイタイルは、シンプルで清潔感があり、浴室の壁に適しています。
曇りのないはっきりとした白を基調とし、シンプルだけれど存在感のある、ホテルライクな浴室に仕上げています。
③:【洗面台】グレーのサブウェイタイルを壁面に施し、モダンでシックな印象にした例
洗面台と浴室を仕切る壁面にグレーのサブウェイタイルを使用した事例です。
無機質な印象を与えるグレーのサブウェイタイルは、鏡面や金属製の洗面台と相性がよく、同系色でまとめると、シックな印象になります。
写真では、ムラのある色幅と表面の凹凸が特徴的なサブウェイタイルを使用し、ナチュラルな木目調とも相性がぴったり合った、モダンで美しい空間を演出しています。
サブウェイタイルの種類【メーカーで選ぶ】
サブウェイタイルをシリーズ別に8つ紹介します。
①:MCN サブウェイタイル
②:SUG ベント
③:NMK クラルテ
④:MKK タペストリー
⑤:SUG スント
⑥:SUG ゾイド
⑦:LIXIL ディアマンテIII
⑧:LIXIL スモーキートーンII
それぞれ説明します。
①:MCN サブウェイタイル
こちらは、ツヤのある白色で、清潔感があるのでキッチンに適しており、形状は立体感のあるテーパータイプとシンプルなフラットタイプの2種類です。
MCNのサブウェイタイルをキッチンに使用することで、明るくクリーンな、清潔感溢れるキッチンに仕上げることができます。
②:SUG ベント
こちらは、落ち着いた色合いでトラディショナルな雰囲気を演出するサブウェイタイルです。
水回りによく合う色合いであるため、キッチンのほか、洗面所などにもおすすめです。
海を思わせる青い色味のタイルを壁に施せば、穏やかにクールダウンできる空間を作ることができます。
③:NMK クラルテ
こちらは、上品な艶とクールなカラー、釉薬の自然な表情が特徴です。
150×75角という人気の高いサブウェイタイルサイズで、キッチンバックの壁面などにおすすめです。
NMKのクラルテを敷き詰めた壁にキッチン道具を吊り下げるなどして並べれば、おしゃれなキッチン道具がより魅力的に映えるでしょう。
④:MKK タペストリー
こちらは、 鮮やかな色を基調としたツヤのあるサブウェイタイルです。
二丁掛サイズ(227×60mm)で迫力があり、店舗はもちろん、住宅のキッチンタイルや洗面にもおすすめです。
単色でも、複数色を組み合わせても楽しめるタイルです。
キッチンや洗面スペースの空間を自分好みに華やかに彩ることができます。
⑤:SUG スント
こちらは、釉薬の特性によって色幅が出る焼き物本来の味わいを楽しめるサブウェイタイルです。
焼き物の風合いと落ち着いた色味には和の雰囲気も感じられ、他のサブウェイタイルとは少し趣きの異なった和風な仕上がりが期待できます。
キッチンの壁にSUGスントのサブウェイタイルを施せば、アンティーク家具や和風の器とよく合うスタイルになります。
⑥:SUG ゾイド
こちらは、角を斜めに切り込んだ立体的な形状のサブウェイタイルです。
力強さの中に優しさを醸し出すことができ、「セラミックのアンドロイド」と言われています。
SUGのゾイドを洗面スペースやキッチンの壁に使えば、ガラスやメタル素材の道具とよく合い、モダンな空間を演出できます。
⑦:LIXIL ディアマンテIII
こちらは、モノトーンカラーが特徴のサブウェイタイルです。
色合いをモノトーンで揃え、シックな印象のあるキッチンを演出します。
サブウェイタイルの定番である長方形だけでなく、正方形(100角)もあります。
⑧:LIXIL スモーキートーンII
こちらは、くすんだパステルカラーと波打ったレリーフが特徴のタイルです。
サイズは300×75角と150×75角の2種類あります。
淡い色のタイルはナチュラルテイストのインテリアとよく合い、タイルの艶やかな光沢はガラス製品との相性もよいので、食器やグラスを並べると見栄えがグッとよくなります。
サブウェイタイルの種類【色で選ぶ】
サブウェイタイルは、元々地下鉄駅構内で使用されているため、白色が多いです。
そのため、「サブウェイタイル」=「白い長方形のタイル」をイメージする方も多いかもしれませんが、実はその色や形はさまざまです。
タイルとタイルの継ぎ目である目地部分の色との対比もサブウェイタイルの魅力であり、さまざまなアレンジが楽しめます。
ここでは、サブウェイの色の種類をいくつか紹介します。
①:【白色】サブウェイタイルの代表的なカラー
②:【黒色、グレー色】シックな印象を与えるカラー
③:【青色、水色】落ち着いたクールなカラー
④:【緑色】個性的でレトロな印象のカラー
⑤:【ベージュ、ブラウン】あたたかみのあるカフェ風のカラー
それぞれの色のタイルを紹介し、最後に複数色のタイルを組み合わせたスタイルも紹介します。
①:【白色】サブウェイタイルの代表的なカラー
シンプルな白色は、サブウェイタイルの代表的なカラーです。
とくに、白のタイルに黒の目地の組み合わせが有名です。
白は他の色やどんな素材の内装も邪魔することなく、馴染みやすい色でもあるため、カラフルでポップな空間やウッド調、もしくはメタル調といった個性あふれる空間とも合わせやすく、使い勝手は抜群です。
なかでも白色のサブウェイタイルは、清潔感のある印象を与えることができ、とくに北欧風のインテリアによく合います。
②:【黒色、グレー色】シックな印象を与えるカラー
黒色のサブウェイタイルは、シックでかっこいい印象に仕上がります。
「黒だと部屋全体が暗い雰囲気になりそう」と不安な場合は、色褪せや色ムラによって黒からグレーへのグラデーションをつけるデザインもおすすめです。
黒というだけで、部屋一面に使うことを避けがちですが、黒いタイルと一口にいっても、さまざまな濃淡や質感のタイルがあります。
部屋のテイストに合わせてトーンやデザインを選んだり、陶器や金属製の置物を目立たせるためにあえて真っ黒にしたりと、アレンジ方法は豊富にあります。
③:【青色、水色】落ち着いたクールなカラー
青色や水色のサブウェイタイルは、海を思わせる涼しげなカラーで、清潔感や解放感のある印象になるため、部屋全体を広く、さっぱりした雰囲気にしたい方におすすめです。
また、青色は見るだけで気分を落ち着かせる効果もあるため、支度でバタバタしがちな洗面台まわりや玄関に使用してもよいでしょう。
このタイルのように、焼き物の風合いが出ている落ち着いた色味の青色を選べば、ビーチの雰囲気とは一転した、和の雰囲気を感じられるスタイルに仕上げることも可能です。
④:【緑色】個性的でレトロな印象のカラー
部屋を個性的に仕上げたいのであれば、緑色のサブウェイタイルがおすすめです。
レトロな喫茶店のようなかわいらしい印象の空間をつくることができます。
緑色のタイルは他とも被りにくく、一面に貼るか、部分づかいをするかでも部屋の印象がガラリと変わるため、自分の好みに合わせて自由自在に組み合わせるのもよいでしょう。
例えばブラウン系のタイルと組み合わせれば、森林を思わせるウッド調やカントリー調に、黄色や白と組み合わせると、昔懐かしい雰囲気を出しやすいです。
⑤:【ベージュ、ブラウン】あたたかみのあるカフェ風のカラー
こちらの商品のように、あたたかみのある自然な色味のベージュやブラウン色のサブウェイタイルもあります。
色褪せや色ムラをつけ、ヴィンテージ感のあるブラウンを使用し、コーヒーのような色合いでカフェ風に仕上げることも可能です。
ブラウンは見ているだけで心穏やかになる優しい色味が特徴なので、「主張の激しくない、温もりのある空間にしたい」という方に向いています。
サブウェイタイルの種類【光沢で選ぶ】
サブウェイタイルは、色の違いに加え、光沢の有無によって以下のように2つに分類されます。
①:ツヤのあるサブウェイタイル
②:ツヤのないマットなサブウェイタイル
それぞれ紹介します。
①:ツヤのあるサブウェイタイル
ツヤのあるブライト仕上げのサブウェイタイルは、キッチンや浴室など水回りにおすすめです。
ツヤのあるタイルは、光を美しく反射させることで、部屋を明るくするという効果があります。
②:ツヤのないマットなサブウェイタイル
ツヤのないマットな表面のサブウェイタイルは、本来の色や素材をいかし落ち着いた雰囲気です。
住宅のキッチンや店舗などで、タイルの素材を生かした穏やかでおしゃれな雰囲気を演出します。
サブウェイタイルの種類【立体的な形状で選ぶ】
つぎに、立体的な形状ごとにおすすめのサブウェイタイルを紹介します。
ここでは以下の3つを紹介します。
①:シンプルなフラットタイプのサブウェイタイル
②:立体感のあるテーパータイプのサブウェイタイル
③:表面が波打ったレリーフのタイプのサブウェイタイル
①:シンプルなフラットタイプのサブウェイタイル
標準的なサブウェイタイルは、シンプルなフラットタイプです。
角が直角に立ち上がっていることが特徴で、厚さは7〜8mm程度です。
シンプルで直線形のデザインのインテリアや木目調の家具と相性がよく、清潔感を出したい洗面スペース等に向いています。
②:立体感のあるテーパータイプのサブウェイタイル
立体的なタイルには、「テーパータイプ」とよばれるものがあり、角が斜めに傾斜をつけて立ち上がっていることが特徴です。
厚さはフラットタイプと同じ8mm程度のものから、14.5mm程度の厚いものまであります。
モノクロトーンやガラス製の家具などモダンでクールな印象のインテリアによく合います。
テーパータイプのサブウェイタイルには、MCNのサブウェイタイル、SUGのゾイドがあります。
③:表面が波打ったレリーフのタイプのサブウェイタイル
つぎに、特徴的な立体的なサブウェイタイルには、波打ったレリーフが特徴のタイルがあります。
レリーフとは浮き彫り彫刻のことで、穏やかな波打ちを表現しています。
ナチュラルテイストのインテリアにおすすめです。
サブウェイタイルの種類【模様や風合いで選ぶ】
白色のシンプルなタイルのイメージのあるサブウェイタイルですが、独特な模様や風合いのあるサブウェイタイルもあります。
個性的なサブウェイタイルの例を5つ紹介します。
①:あめ色の光沢のある窯変調のサブウェイタイル
②:砂入りに仕上げた窯変調のサブウェイタイル
③:ラフな風合いのアンティーク調のサブウェイタイル
④:くすんだカラーのナチュラル調のサブウェイタイル
⑤:海をイメージした色ムラ模様のサブウェイタイル
①:あめ色の光沢のある窯変調のサブウェイタイル
焼成時にできる偶然の色むら(窯変)を表現した、光沢のあるあめ色のタイルです。
釉薬をつけた焼き物らしい風合いがよく出ています。
②:砂入りに仕上げた窯変調のサブウェイタイル
つぎも窯変調に仕上げたサブウェイタイルですが、細かい砂の模様のある「砂入り」加工がされていることが特徴です。
くすんだ緑色の「オリベ色」と砂入りの模様がよく合っており、岩石のような自然素材らしさを表現しています。
③:ラフな風合いのアンティーク調のサブウェイタイル
形状が一定するプレス成型ではなく、押出成形による切出製法を使用しているサブウェイタイルで、ラフな風合いが特徴的です。
手作業で作ったアンティーク感が醸し出されており、機械で作った整ったタイルにはない特別な味わいがあります。
④:くすんだカラーのナチュラル調のサブウェイタイル
少しくすませたパステルカラーの釉薬と波打ったレリーフが特徴のタイルです。
ナチュラルテイストのインテリアによく合います。
⑤:海をイメージした色ムラ模様のサブウェイタイル
海をイメージした内装タイルです。 焼き物特有の自然な色ムラ、色味やマットな質感、エッジのラフな仕上げにより、心地よい雰囲気に仕上がっています。
以上、タイル表面の模様や風合いで選んだサブウェイタイルを紹介しました。
サブウェイタイルを使って、海外やカフェのようなおしゃれな空間を作ろう
本記事では、サブウェイタイルを使ったおしゃれな施工例とサブウェイタイルの種類、おすすめの選び方について画像つきで紹介しました。
サブウェイタイルを使用すれば、海外やカフェ風のおしゃれな空間を演出できます。
無地でシンプルな印象のサブウェイタイルですが、意外と種類が豊富で奥深く、理想とする内装のイメージに合うものを工夫して選ぶ必要があります。
サブウェイタイルについて、より豊富なラインナップをご覧になりたい方はこちらをご覧ください。