タイルの材質
基本的には、吸水率が低いほど磁器の性質を現すことから、かつては、吸水率だけで分類されていましたが、最近の製品には、技術発達もあり、吸水が高くても磁器の性質をもつものや、低くても陶器のような性質をもつものがあり、かならずしも吸水率だけで、磁器、陶器、せっ器と判断することは難しくなりました。
吸水率で敷居値を設けて、単純に磁器、陶器、せっ器と区別するのは違うという判断もあり、それらに一線を設けた形となりましたが、従来の分類の素地については以下の通りです。
(文中の吸水率は、2008年のJIS改正前の自然吸水の測定方法による)
→詳しくは「吸水率による区分」へ
磁器質タイル
石英、長石、粘土などを1200〜1350℃で焼成したタイルで、吸水率1%以下のためほとんど水を吸わないタイルです。
素地は緻密で硬く、たたくと清音(金属音)を発します。
耐凍害性や耐摩耗性にも優れているため、外装タイルや歩行頻度の高い公共の床タイルなどに使われます。通称で「磁器タイル」と呼ばれる場合もあります。
せっ器質タイル
粘土や長石などを1200℃前後で焼成したタイルで、吸水率5%以下のわずかに水を吸うタイルです。
磁器質に比べると吸水性は高いが、素地は硬く、耐候性に優れます。
釉薬をかけず(=無釉タイル)、素焼きの素朴な色むらを生かした地味で自然の風合いの還元焼成の外壁タイルや施釉や無釉の床タイルなどが多い。
陶器質タイル
陶土や石灰などの原料を1000〜1200℃で焼成したタイルで、吸水率22%以下で吸水性の高いタイルです。
素地は多孔質で、たたくと濁音を発します。
釉薬をつけて仕上げた(=施釉タイル)、内装タイルが多い。
土器質 レンガ
800℃前後で焼成し、素地は多孔質で、かなり多く吸水する。